スタッフブログ
2014.09.04
さまざまな住まいの形
クモデコラムを1本、書きましたので転載します。
さまざまな住まいの形
2014年の今年からJackグループでは毎月どこかの場所で「イノベーションセミナー」ということで活動の広報や既存会員との交流、また新規会員の勧誘などといった狙いで行っている。先日、グループ初となる北海道・札幌市を訪れてきた。直前まで開催が危ぶまれたが参加者8社ということで一応の形となりホッと一息といったところであった。
参加者のメンバーは地元北海道のパワービルダーなどの顔ぶれもあり、住まいや住宅についての意見交換もさせていただいた。私は仕事柄、日本全国へ行くことがあるが、やはり生活の場である住まいについてはその地方ならではの工法や工夫を見るのは面白い。
北海道の住宅の多くは雨樋がない。また札幌市内など土地に雪を下ろすスペースがない場合、スノーダクト式といった無落雪住宅を建築する場合がある。溶けた雪が家の中のダクトを通ってゆく方式であり北海道では珍しくない。九州の人には理解しがたいだろう。
また最近の新築は高気密住宅になっているものが標準だという。旭川では夏は30度、冬は−35度と気温差が65度ある。冬になると中途半端な住宅では結露で窓という窓が結露し、凍り付き大変なことになるのだそうだ。高気密住宅は気密性を上げるために窓は光を入れるだけと考え風などはまったく考慮しない。室内の換気は第1種の機械換気であり24時間制御である。
私が中部地区で建築をやっているため高気密住宅を積極的に行っていないし、その必要性も感じていない。24時間機械で管理することに違和感があるのと、昔何かでみたカビだらけのダクトが印象になるから、そしてできるだけ家に風の通り道を作り四季を感じたいからである。
機械にしても今はランニングコストの安いものもあるだろうし、ダクトのメンテナンスも必要のないものもあるかもしれない。
しかし重要なのはこの地域、気候的に必要性を感じないというところだと思う。しかし北海道ではそのデメリットを上回る必要性があるのだろう。−35度で快適に住むというのはやはり高気密高気密住宅でなければ実現しないのかもしれない。
地域によって住まい方もさまざまである。沖縄も特徴的だ。私は毎年、夏休みを宮古島で過ごすのだが今年は民家を改装した別荘を借りた。沖縄の住宅はRCが多い。台風の規模も大きく数も多いためRC住宅の選択となるのだろう。
それと今まで感じなかったのだが今年は台風12号と共に訪れて台風11号と共に離島したこともあり、天候が悪い日が多く続いた。すると別荘にいることが多かったのだが、とにかく室内が暗い。窓が少なく、小さいことが理由だろうと思う。今の建築物はそうではないかもしれなが気になって近所の人に聞いてみると古い住宅は朝から電灯をつけないと過ごせないリビングが多いということだった。RCだから断熱もなにもない。安全性を第一に身を守るのは家なのであろう。
私が生まれ育った飛騨高山は盆地であるがゆえに、夏は暑く冬は厳しい。雪も多く降るためにその対策をする家も多い。雪下ろしができるようにと屋根勾配は3寸のものが好まれるし、市町村によっては落雪屋根、ようは勝手に雪が落ちる設計にした場合の助成金まである。しかし雪は降るが冬でも日差しが強いとすぐに溶けることもあるため、グラウンドに水を張ってスケートができることはない。
同じ雪国である長野市は冬も気温が上がらないために冬は水を張ってスケートをすると聞いた。気温が上がらないということであれば高気密住宅の方が好まれるかもしれないが、飛騨高山では夏の夜は涼しい風が吹くし、冬でも気持ちよい日中に風を通すということもする。
住宅の仕事をしていると、工法や材料、そして住まい方や過ごし方がさまざまなことを感じる。きっとどれも正解で何も間違っていることはないのだろう。
住めば都というがだから建築は面白いと感じる。
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