スタッフブログ
2014.06.28
台北視察記
全国的に天候不順ですね。そうか、梅雨の真っ最中と感じた今日この頃です。
Robinの蜘手です。
先日、視察にて台湾の台北へ2泊という強行でしたが行ってきました。ご参加の皆様、有り難うございました。
その視察のコラムを書きましたので掲載します
2014年6月 台北を訪れて
2014年6月、シクミ研究会建築グループの勉強会にて台湾の台北へ訪れた。
日程は2泊3日。私自身、初の台湾であった。視察の目的は研究会のメンバーである神戸のすみれ建築工房の高橋社長が台北で事業を開始されそれが軌道に乗ってきたということ、そして現地法人を設立し今後は台北を皮切りに本格的に事業を拡大させるとのことで、それでは是非一度視察をさせて欲しいというお願いをしていたのが実現をしたということである。
台北は名古屋から3時間。台北の緯度は日本の宮古島より北にある。通貨は台湾ドル。物価は日本とそれほど変わらないが食事は少し安いのかもしれない。飲茶を始め食事は美味しく、それについてのストレスはなかった。親日国ということもあり、大勢の日本人が訪れるのもわかる気がした。
台湾は「1つの中国、2つの中国」と言われるように国際的には少し複雑な位置にある。私たちは台湾という呼び名で読んでいるが国家名称は中華民国という。
そしてその中華民国を国家として承認しているのは全世界で22カ国しかない。日本も中国との関係上、台湾を国家としては認めていない。1972年の日中国交正常化のタイミングから台湾とは公式な国交は断絶している。正式な国交は未だになされていない。しかし日本が統治をしていたこともあり縁も深く実質的に国家と同等に扱っており民間レベルの交流は盛んに行われている。
今回、現地では高橋社長のお付きの方?のタクシードライバーの黄さんという方が同行してくれた。「中国との関係」について聞いたところ熱っぽく一気にまくしたてて話をし始めた。歴史を見ても日本を含めさまざまな外圧に振り回された過去があるが、やはり1947年の2・28事件は深く、本省人(台湾人)の心には深い傷を残しているのだと感じた。2・28事件とは本省人(当時は日本国籍の台湾人)と外省人(在台中国人)との大規模な抗争である。1945年、敗戦により日本が統治をしていた台湾は新たな行政として蒋介石率いる中国国民党が台湾に上陸をした。台湾にとって祖国である中国への政治が引き継がれたことで、当時の台湾人は歓迎をしたが、実はその中国国民党は相当、腐敗をした組織であり強盗、強姦、殺人などの横行を繰り返した。日本の統治時代はそのようなことを経験していない台湾人は改めて日本政府の高潔さを知ると共に、中国に対し不満、不信感が広がっていった。「犬去りて、豚来る」という有名な揶揄はそれをさす。
「私たち本省人で、中国のことを好きな人は誰もいない」私たちが日本人であることを差し引いても大げさな表現だとは思えなかった。2014年3月、日本ではあまり大きく取り上げられなかったが、台湾では中国とのサービス貿易協定を巡り揺れに揺れた。立法院を多くの学生が占拠しデモが起こった。この背景には総統の馬英九氏が香港出身の外省人であること。蒋介石の功績を再評価していること。どちらかといえば中国大陸との関係強化を姿勢であることと無関係ではないだろう。加えて経済停滞が長く続いた日本と、この数年で世界の大国へ躍り出た中国のどちらの強化するのかと言われたら、現実的に中国に寄ってゆく政策を取らざるを得ないという政府の思惑も見てとれる。ネットや本だけではわからない。やはり世界へ出掛けないと見えないこともあると感じた視察旅行であった。
さてこの数週間でタイ、ベトナム、台北のそれぞれを訪れたのだが今回の旅で「これは世界基準」と感じたことがある。
「iPhoneとセブンイレブン、そしてメッシ」である。今、どこへ行ってもスマホである。皆がiPhoneを片手に写真を撮り思い思いに画面を見る姿を見ることができる。そしてどこへ行ってもセブンイレブンがあり、アジアの田舎街であってもアルゼンチンのサッカー選手のメッシの大きなポスターが目に入る。一個人や1つのアイデア、そしてその組織の推進力は世界を席巻することができるのだな、と感じた次第であった。世界へ出掛けると自らの小ささと歴史の深さに感嘆する。
私は、また私たちは何を残せるだろうか。今、何を残せているだろうか。人生は短い。
CATEGORYカテゴリー
SERVICE
ロビンのリフォーム・リノベーションサービス一覧
ロビンは、換気扇レンジフードの交換リフォームから、設計士がご提案するフルリノベーション、注文住宅まで幅広く対応しております。
それぞれのサービスの紹介、施工事例、お客様の声などをご覧ください。