二世帯住宅はやめた方がいい?デメリットだらけと言われている理由とは
「二世帯住宅にして後悔したと言われる理由は?」
「二世帯住宅を検討しているが、自分の家庭には向いているのだろうか?」
という疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか?
本記事では、このような疑問の解決に役立つ内容を
- 二世帯住宅のメリットとデメリット
- 二世帯住宅の3つの種類
- 二世帯住宅はやめた方がいい人の特徴
- 二世帯住宅を成功させる方法と成功事例
の順番に解説していきます。
目次
二世帯住宅はやめた方がいい?その理由とデメリット
二世帯住宅はやめた方がいいと言われることがありますが、具体的にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、二世帯住宅のデメリットについて紹介します。
生活リズムを合わせるのが難しい
二世帯住宅のデメリットとして、世帯間の生活リズムの違いにより、お互いがストレスを感じてしまう点が挙げられます。
基本的に家にいる親世帯と、現役で働く子世帯では生活リズムが大きく異なります。
このため、乾燥機や食洗器などの電化製品の音がうるさくて眠れなかったり、子どもの足音や声が気になったりなど、生活音が気になってストレスが溜まってしまうことがあります。
不満が出てきたら相手と話し合って、お互いが快適に暮らせる方法を探ることが重要です。
プライバシーを確保しづらい
二世帯住宅では、プライバシーの確保が困難です。
プライベートな空間であるはずの家で、生活音や服装などに気を遣って思うようにリラックスできなかったり、プライベートスペースへの出入りが気になりストレスを感じたりして、トラブルに発展することが考えられます。
特に、実の親子関係にない配偶者はストレスを感じやすく、ストレスに耐え切れなくなり離婚に発展してしまうケースもあります。
こういったケースを防ぐためにも、お互いの住む場所はしっかり分けるなどお互いのプライバシーを守るための対策をしておくと良いでしょう。
費用面で揉めることがある
建築費や光熱費などでトラブルが起こる点も二世帯住宅のデメリットとして挙げられます。
家づくりにあたっては、頭金と住宅ローンの負担に関して話し合う必要があります。
頭金を親世帯が払い住宅ローンを子世帯が払うケースや、完全に折半して払うケースなどがあります。
しかし、どちらかの世帯の収入が減り、支払いができなくなったという予期せぬトラブルもある程度想定しておかねばなりません。
また、光熱費に関しても負担額を決める必要があります。
光熱費を折半にした場合、ほとんど家にいる親世帯に対して子世帯が不満を感じることがあります。
特に、昨今は光熱費が高騰しているため、十分な話し合いを大切にしましょう。
相続時にトラブルが起こりやすい
相続の際にトラブルが起こりやすいことも二世帯住宅のデメリットの一つです。
二世帯住宅を親世帯と子世帯で購入して住んでいた場合、親が他界した際に親の持ち分が相続の対象になります。
子に兄弟姉妹がいた場合、二世帯住宅の持ち分の割合で揉める可能性があるでしょう。
また、親の遺産が二世帯住宅のみである場合、平等に金銭で相続するために住宅を売却して遺産を分割することもあるため、住む場所がなくなる可能性もあります。
こうした相続時の問題も念頭に置いておくと良いでしょう。
後悔だけではない!二世帯住宅でよかった理由とメリット
二世帯住宅はやめた方がいいと言われることがありますが、メリットもあります。
ここでは、二世帯住宅で良かった理由やメリットについて4つ紹介します。
子育て・介護など協力し合える
二世帯住宅に住む大きなメリットとして、親世帯に子育てを協力してもらえる点が挙げられます。
例えば、子世帯は親世帯に、子どもが体調不良で休んだ際の看病や、幼稚園・保育園のお迎えなどを頼むことができます。
特に、共働きをしている子世帯にとって大きなメリットと言えるでしょう。
また、二世帯住宅であれば同じ住宅に住んでいるため、子世帯が親世帯の健康状態を把握できるようになったり、介護がしやすくなったりします。
このように、二世帯住宅では世帯間の移動が減るので、お互いのことを助けやすくなるのです。
共用部分が多いと費用面をカットできる
二世帯住宅では、住宅の中に共用のスペースを作ると費用を削減することができます。
例えば、お風呂やキッチンなどを共用のスペースにすると、二世帯分の費用をかけずに済むでしょう。
二世帯住宅では、二つの世帯が同じ建物に住むからこそ費用を削減できるという点がメリットとして挙げられます。
補助金を利用できる場合がある
二世帯住宅では、補助金を利用できる可能性があります。
例えば、二世帯住宅で利用できる補助金は以下のようなものがあります。
- 地域型住宅グリーン化事業
- リフォーム推進事業
- 地域の住宅補助
二世帯住宅の購入を考えている場合は、事前に利用できる補助金を調べてみると良いでしょう。
別居よりも相続税を抑えられる
親世帯と同居している二世帯住宅の場合、一定の条件を満たしていれば相続税を抑えられるかもしれません。
例として、「小規模宅地の特例」というものがあります。
これは、相続する土地(上限は330㎡)にかかる相続税の対象になっている課税価格を最大で8割減額できる制度です。
この制度は、親世帯と別で暮らしている場合は条件が厳しくなりますが、二世帯住宅であれば一定の条件を満たしていると利用できるようになります。
しかし、この制度は区分登記をすると使えなくなってしまうので、その点には注意しましょう。
参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁
二世帯住宅の3つの種類
ここでは、二世帯住宅の種類を紹介します。
完全分離型
完全分離型は、玄関やキッチンなどの設備は勿論、リビングや個室まで世帯ごとに完全に分離されている間取りです。
レイアウトは上下階で区切ったり、左右で区切ったりとさまざまです。
完全分離型は、お互いの生活を大切にでき適切な距離感で過ごせる点が特徴です。
メリットとしては、お互いが気を遣わずに生活できたり、来客も呼びやすかったりする点が挙げられます。
このため、前述したプライバシーを確保できないという二世帯住宅のデメリットを解消できる間取りです。
ただ、完全分離型では設備がそれぞれの世帯ごとで必要なため、移住空間や収納に使えるスペースをしっかりと確保することが重要です。
また、土地を手に入れることが難しかったり建築費用の負担が大きくなったりするため、注意が必要です。
部分共用型
玄関やリビング、水回り設備などの一部を共用とし、その他のスペースは世帯ごとに分離できる間取りです。
部分共用型の特徴としては、程よい距離感を保つことができる点が挙げられるでしょう。
玄関だけを共用にしたり、玄関と水回り設備を共用にしてリビングはそれぞれ分けたりと、自由に共用部分を考えられるため、ライフスタイルに合わせて柔軟に間取りを考えることができます。
しかし、実際に生活する中で不便を感じることもあるかもしれません。
例えばキッチンが共用だと、他の人が調理している時に利用できないなどの不便を感じる可能性があります。
家づくりの際には柔軟に間取りを考えられる分、親世帯と子世帯でしっかり話し合いをすることが大切です。
完全同居型
二つの世帯でリビングや水回りの設備などを共有し、それぞれの個室だけを分ける間取りです。
完全同居型の特徴はコミュニケーションがとりやすく、家事や子育てなどで協力し合える点です。
また、完全分離型と異なり設備を二ヵ所作らなくて良いため、費用が抑えられることがメリットとして挙げられるでしょう。
しかし、完全同居型ではプライバシーの確保が難しかったり、生活リズムが違うとお互いにストレスが溜まったりする可能性があるというデメリットもあります。
二世帯住宅はやめたほうがいい人の特徴
二世帯住宅が向いていない人には、どのような特徴があるのでしょうか。
以下では、二世帯住宅をやめた方がいい人の特徴を3つ紹介します。
コミュニケーションがうまくとれない人
二世帯住宅では、二世帯が同じ家に住むため、コミュニケーションをする機会も増えるでしょう。
コミュニケーションをとることが苦手な人は、親世帯とのコミュニケーションなどでストレスを感じてしまうかもしれません。
また、周りに頼ることが苦手で自分一人で全てやろうとしてしまう人は、親世帯の分の家事なども頑張ってしまい、疲れが溜まってしまうかもしれません。
こういった方も二世帯住宅が向いていない可能性があります。
二世帯住宅を検討している場合は、周囲の人たちをなるべく頼って協力して暮らしていくことを意識すると良いでしょう。
神経質でこだわりが強い人
二世帯住宅では一緒に生活する人の数が増えるため、家が散らかりやすくなる、お互いの生活リズムに気を遣ってしまう、などの悩みが出てくることが考えられます。
こうした点に関して、特に親世帯が子世帯に対して不満を持つケースが多いです。
二世帯住宅は他の人の生活リズムや、部屋の掃除のし忘れ、あるいは散らかっている場所が気になってしまうといったような神経質な人にはあまり向いていないかもしれません。
家族に神経質な方がいる場合は、二世帯住宅を検討する際に完全分離型を選択すると、暮らしやすくなるのではないでしょうか。
干渉されるのが嫌な人
共有部分がある二世帯住宅の場合には、自然とコミュニケーションをとる場面が増えるでしょう。
このため、親世帯あるいは子世帯とある程度距離を取りたい人や、自分の家庭のことに干渉されるとストレスを感じる人は、二世帯住宅が向いていないかもしれません。
例えば、干渉されることが苦手な人は、親世帯からの育児や仕事についてのアドバイスにストレスを感じてしまうかもしれません。
二世帯住宅を検討している人は、両親の家に泊まるなどして二世帯住宅で一緒に暮らす際のことを想像してみると良いでしょう。
悲しい末路にならないために・二世帯住宅を成功させる方法
二世帯住宅で失敗してしまわないためにはどうすれば良いのでしょうか?
以下では、二世帯住宅を成功させるための方法を紹介します。
お嫁さんやお婿さんの気持ちを考えた間取りにする
二世帯住宅のデメリットとして、実の親子関係にない配偶者がストレスを感じやすいということを前述しました。
二世帯住宅を検討する際には配偶者のことも考慮し、プライバシーが守られるような間取りにするなどの工夫をすると良いでしょう。
例えば、配偶者がなるべく親世帯とは距離を置いて生活したいと考えているならば、二世帯住宅のタイプを選ぶ際に完全分離型の間取りを選ぶなど、配偶者が快適に過ごせる間取りを選択すると良いでしょう。
費用面や将来的な話をきちんとする
二世帯住宅の購入にあたっては、費用面や将来的な話をしっかりとしておくことが重要です。
費用面では、住宅ローンの負担について事前に話し合いをしっかりとしておくことをおすすめします。
特に、完全分離型の二世帯住宅は比較的費用が高くなってしまうことが多いです。
また、それぞれのライフステージに合わせて家計の出費も変化していくことが考えられます。
介護が必要になった時や子供が独立したときのことを考えて、家を設計することが大切です。
例えば介護が必要になった際には、完全分離型の場合家の行き来ができないと困るため、それぞれの居住空間を行き来できるドアをあらかじめ用意しておくといった工夫ができるでしょう。
他にも、子どもが独立した時のことを想定して事前に子ども部屋をどのように使うか決めたり、はじめから子ども部屋を作りすぎないようにしたりすると良いでしょう。
このように、事前に費用や将来のことを話し合って、お互いが長きに渡って暮らしやすい家を構想しておくことが大切です。
遮音性・防音性が高い建材を取り入れる
前述した通り、二世帯住宅では子どもの足音や電化製品の音などの生活音が気になって、ストレスが溜まってしまうことがあります。
こうしたストレスを少しでも軽減するためにも、遮音性や防音性の高い建材を取り入れることが大切です。
建築会社を選ぶ際には、防音性、遮音性に優れた建物を提供している会社を選ぶと良いでしょう。
二世帯住宅の成功事例3選
実際に二世帯住宅で成功している例としてはどのようなものがあるでしょうか?
ここでは、二世帯住宅の成功事例を紹介します。
「程よい」繋がりを保つ二世帯住宅
こちらの二世帯住宅は、二世帯の生活スタイルの違いを尊重し、適切な距離を取りつつ快適な住まいを叶えられる点が特徴です。
一階と二階で生活するスペースを分け、LDKを共用のスペースとして程よく繋がりを感じられる設計になっています。
一階の親世帯は「和のテイスト」、二階の若夫婦世帯は「ナチュラルテイスト」で設計しており、それぞれの世帯の好みに合わせて階ごとにスタイルを変えている点も特徴です。
こちらの二世帯住宅は、川の音が聞こえる場所に建てられていますが、防音効果と断熱機能を持っているセルロースファイバーを吹き込んであるため、川の音を気にせず快適に暮らすことができます。
リビングに黒板のある二世帯住宅
こちらの二世帯住宅はゆとりがあり、世帯ごとの空間も確保しつつ交流も楽しめるという点が特徴です。
一階と二階で世帯空間が分かれていますが、メインリビングは開放的なコミュニケーションの場となっています。
また、家具などがスペースをとってしまわないように、棚を壁に埋め込んで設置するなど、収納箇所もこだわってデザインされていることも特徴です。
LDKの中心には大きな黒板があり、家族の連絡版としての役割を果たしています。
キッチンは作業スペースが広いため、大人数で食事をする際にも準備がしやすく便利です。
1階は和風、2階は洋風の二世帯住宅
こちらの二世帯住宅は完全分離型で、それぞれの世帯の好みを反映している点が特徴です。
親世帯のエリアには、大勢の来客があっても困らない客間とLDKを作っています。
子世帯のエリアには、キッチンの上のロフトに本棚を作り、収納に使ったりフリースペースとしても活かせるようにしています。
世帯ごとで好みが違うため、それを尊重し合えるよう一階と二階でテイストを分けて住む場所も分けました。
一階は和風で、二階は洋風です。
また、完全に交流がなくなってしまわないよう玄関ホール内部を一ヵ所だけ繋ぎ出入りができるようになっています。
来客に対応できるフレキシブルな設計と、本棚に見られるようなゆとりある設計で暮らしやすさを叶えた二世帯住宅です。
まとめ
今回の記事では、二世帯住宅のメリット・デメリット、二世帯住宅の種類、二世帯住宅を成功させる方法などについて紹介しました。
二世帯住宅では、自分たちの暮らしに合わせて家づくりを行うことができます。
二世帯住宅を検討している人は毎日を快適に過ごすために、慎重に話し合いをしておくと良いでしょう。
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