調湿・防臭効果を持つ高機能建材 漆喰、珪藻土、エコカラットについてご紹介!
昨今、お部屋の壁は高機能なものが目白押し。抗菌、光触媒、防汚加工等々。その中でもとりわけ、調湿・防臭効果は注目を集めています。そして中でも、漆喰や珪藻土を使った自然素材の能力は再評価されています。今回のコラムでは、調湿と防臭効果の高い自然素材系の壁材を紹介していきます。コラム後半では、人気の高いリクシルのセラミック壁材「エコカラット」についても解説いたしますので、ビニールクロス以外の壁材をお探しの方は必見です。
目次
調湿・防臭効果の高い自然素材「漆喰」「珪藻土」
漆喰(しっくい)と珪藻土は、世界各地で用いられてきた伝統的な建材です。日本国内でも豊富に出土する漆喰は、お城の内外壁や、瓦の固定材として使われてきました。珪藻土も同様に、内装材として土壁などと一緒に使われています。
漆喰は消石灰(水酸化カルシウム)が主原料です。サンゴ礁が地殻変動などで埋まり、地層より出土した石灰石から作られるほか、貝殻を焼成する事でも同じ成分のものが入手できます。漆喰壁は優しい白色が特徴で、和風のお部屋にも、洋風のお部屋にもよく合います。職人さんが塗り方を工夫することで模様が描かれ、デザイン的にも優れた建材です。
珪藻土は同じく地層から出土する鉱物ですが、こちらの素材は植物プランクトンの珪藻(ケイソウ)が主原料。世界中の海、湖、川とあらゆる水辺に生息しています。これらが堆積し化石となったものが、珪藻土です。化石になっているとはいえ、もとは植物プランクトン。珪藻土を食材として活用する地域も存在するほど、人間にとって身近な素材です。
消臭のメカニズムについて
一般的に防臭を目的とする製品は、3つのグループに分類されます。
1.感覚
2.分解
3.吸着
一つ目の感覚で有名なのが、香水です。臭いそのものを消すわけでなく、より強い香りで覆い隠すイメージです。また、不快なニオイをいい香りと一緒にすることで、不快感を下げることができます。
二つ目の分解は、微生物や化学反応を用いて、ニオイの原因物質を分解する消臭方法です。大気中に浮遊するニオイ物質は酸性、アルカリ性とにおいの原因によってさまざま。それらに対し、適切な化学物質が反応を起こすことで、ニオイが中和されます。
三つ目の吸着は、ニオイの原因物質を物体の内部に閉じ込めてしまう方法です。漆喰や珪藻土は、こちらの吸着という方法を用いて、お部屋を消臭してくれます。
漆喰・珪藻土の多孔質が決め手!
漆喰や珪藻土を顕微鏡で見てみると、まるでスポンジのように穴がたくさん空いており、非常に入り組んだ形状になっています。ニオイ物質はこの穴の中へと迷い込み、出られなくなってしまうのです。
なので、ニオイの気になるお部屋に漆喰や珪藻土を配置すると、効果的に防臭効果を得ることができます。これらがよく使われる場所としては、靴箱のある玄関、トイレの壁、寝室、リビング等々。タバコなどを家族の方が吸われるのであれば、主に喫煙される部屋に漆喰や珪藻土を配置すると、お部屋のニオイが早く消えます。
ニオイだけじゃない! 多孔質素材の優れたポイント
多孔質素材が吸着するのは、ニオイ物質だけではありません。有害な化学物質や、ウィルスなどもその中へ吸着します。とりわけ、漆喰に関しては強力な抗菌作用があることで有名です。というのも、漆喰の原料となる消石灰は強力なアルカリ性。壁の乾燥した表面は中和されて触っても安心ですが、漆喰を塗る段階や、壁の内側でまだ湿っている部分に関しては、その強力なアルカリ性を保持しています。どれくらい強力かというと、漆喰を塗る際にゴム手袋などを用いなければ、わずかな時間で肌がボロボロになるほど。多孔質の中に迷い込んだウイルスや細菌が、まだ乾いていない漆喰の奥底にたどり着いた時、強力なアルカリ性によって殺菌されるのです。小さなお子様がいらっしゃるご家庭などは、漆喰壁を用いることで、常に浄化されたお部屋で過ごすことができるため大変安心ですね。
珪藻土自体には漆喰ほどの浄化作用はありませんが、多孔質の働きにより、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質を内部にとどめることができます。ただし、近年では抗菌作用の含まれた素材を練り込んだ珪藻土なども販売されているため、より多機能な珪藻土を選ぶことが可能です。
調湿効果も、多孔質
調湿とは、お部屋の湿度を調整する機能のこと。多孔質を持つ漆喰や珪藻土壁は、大気中の水分をその内部にとどめることができます。湿度が高い梅雨の時期などはその内部に水分を多く吸収し、お部屋の結露を抑制します。逆に冬場などの乾燥する時期は、内部にとどめた水分を放出することで、お部屋を加湿します。常に一定の湿度に保とうとする働きをするため、お肌や健康に優しい空間を作ることができます。
多孔質素材のデメリットとは
さて、ここまで多孔質素材のメリットにフォーカスしてきましたが、これらの素材にデメリットはないのでしょうか。実際のところ、デメリットがないとは言い切れないのが現状です。具体的なデメリットは下記の通り。
1.ビニールクロスに比べると、高額
2.醤油などの色素が強い液体などがかかると、色が落ちにくい
3.漆喰や珪藻土の塗り方(デザイン)は、職人さんの力量に左右される
4.DIYができない
それぞれ順番に解説していきます。まず1点目。漆喰や珪藻土は、ビニールクロスに比べると約4~5倍ほどの金額となります。それも面積が増えれば増えるほどコストはかさみますので、全面漆喰塗りにした場合、非常に高額となってしまいます。ただし、ビニールクロスの耐用年数がおおよそ5~10年なのに対し、漆喰や珪藻土は半永久的に使用できるため、長く使えば使うほど経済的な内壁材と言えます。初期投資額の大きさがボトルネックです。
2点目は、色が染みつきやすい点です。多孔質になっていて、内部が入り組んでいる関係上、色の濃い液体が中に沁み込んでしまうと、なかなか取れません。軽い汚れであれば軽くヤスリ崖をすることで削り取ることができるかもしれませんが、何度も繰り返していると穴が開いてしまいます。そのような強力な汚れには弱いですが、漆喰や珪藻土などは静電気を帯びない為、ほこりなどの軽微な汚れは、ビニールクロスに比べるとつきにくくなっています。
3点目は、デザインが完全に職人さんの力量に左右される点です。コテを使って描かれた、美しい扇模様や、幾何学模様をレストランなどで見かけた方は多いはず。経験豊富な職人さんであれば、まるで機械で描いたような見事な模様も可能ですが、あまり慣れていない職人さんだと、選べるデザインの幅が狭まります。また、色味に関しても白を中心とした落ち着いた色合いとなり、柄物やビビットな色合いにおいては、ビニールクロスが優勢です。
4点目は、DIYが非常に困難だという点です。ビニールクロスのように、ちょっとお試しで自分でやってみよう、というわけにはなかなかいきません。それもそのはず、ビニールクロスは特に危険もなく、製品を壁に貼り付けるだけの簡易的な工事で施工が終わります。最初のうちは上手く晴れずとも、何度も練習を繰り返せばきれいに張り替えができるようになるでしょう。しかし、漆喰や珪藻土は、現場で素材を塗りやすい硬さに調節したり、専用の機材を使って攪拌したりと、非常に手間がかかります。また漆喰は強アルカリ性の劇物。取り扱いにも注意が必要です。さらにオシャレな模様を描くとなると、熟練の技巧が必要と、ハードルが非常に高いです。
新しい選択肢、エコカラット
2021年の春、建材大手のLIXILより、エコカラットプラスという商品が発売されました。エコカラットは、焼き物、つまりセラミックでできた製品です。触り心地は漆喰ほどツルツルしておらず、レンガの表面のような、わずかにざらついています。こちらも漆喰や珪藻土と同じく多孔質の構造となっており、調湿や防臭効果を発揮します。しかし、エコカラットの何よりの魅力は、そのデザイン性。プリントが施されたこの製品は、意匠性が非常に高くなっています。
また、漆喰や珪藻土と異なり、工場によって生産された製品のため、品質にばらつきがありません。さらに、エコカラットの一部は、DIYにも対応。パネルをマグネットで台座に組み合わせれば、一枚の絵画ができあがり、インテリアとしても非常に優秀です。すでにビニールクロスを貼ってしまったお家でも、後付けに対応しています。多孔質素材はどれだけの面積を覆うかでその効果も左右されるため、もちろん壁全体を多孔質素材にした時ほどの効果はありませんが、枚数を多く配置することで効果を高めることができます。なにより、お手軽に取り付けできる点は見逃せません。
エコカラットのおしゃれなデザイン9選
1.グラナス ハルト
地中海を思わせるような白亜のレンガ風。整った面ではなく、レンガごとの凹凸や欠けがアンティーク感を演出します。北欧家具などに相性抜群のエコカラットです。
2.ディニタ
どこか溶岩を想起させるダークグレーを基調としたタイルパターンは、空間をぎゅっと引き締め、シックな風合いに。ダークブラウンの床材とあわせれば、スタイリッシュな大人の雰囲気に。
3.ニュートランス
無地と幾何学模様のエコカラットを組み合わせれば、玄関がまるで現代アートの美術館に。色の数を抑えることで格調高さと無機質感を両立できます。
4.リネエ
規則正しく並んだタイル柄に、スラッシュのラインがアクセント。縦横がキレイにそろった壁面は、書斎にピッタリ。澄んだ空気の中でゆったりと読書などはいかがでしょうか。
5.和細工
少しくすんだベージュカラーは、和モダンなお部屋にフィットします。スタイリッシュさと、ほっと一息つけるような柔らかな空気感を両立できるデザインです。
6.たけひご
連続する細い竹ひごのようなエッジの効いたデザインは、シャープな印象。洗面所の一部などにアクセントとして、勇気を出して使ってみればホテルライクな空間へがらりと様変わり。線の流れる方向を縦に変えたり、ランダムに配置するだけでも雰囲気は随分と変わります。
7.デザインパッケージ ルドラ × ファインベース
エコカラットは組み合わせて使うことも可能です。飽きの来ないシンプルなパターンも組み合わせ次第ではハイセンスなインテリアへと早変わり。調湿・防臭といった本来の目的を忘れてしまうほどのデザインは、他のお家とはちょっと違うこだわりポイント。
8.デザインパネルキット EDPK-1260/11
このアートパネル、どこで買ったんだろう。お家を訪ねた人は、このパネルが空気を綺麗にしているなんてきっと気が付かないでしょう。トイレや玄関など、ちょっとした空間でもエコカラットは活躍します。絵画を壁に掛けるように設置できるこのパネルは、DIYでも取り付け可能。
9.アール・ブリュット(障害のあるアーティストの作品)
飾るのならば、デザインにバリューをプラスワン。エコカラットのArt Brut(アール・ブリュット)シリーズは、障害のあるアーティストが描きだした特別なアート作品。LIXILと知的障害のある作家を抱えた福祉実験ユニット「へラルボニー」とのコラボレーション商品です。障害者雇用が増えてきた現代社会ですが、まだまだ障害を持った方の働ける場所は限られています。収益を障害を持ったアーティストたちへ還元するビジネスモデルは、社会の多様性と豊かさに直結します。繊細で独特な感性を持ったアーティストたちの作品は、思わずはっと目を奪われるものばかりです。
ロビンの内装施工実例
R.059 「もう少し広く」が叶う家 岐阜県各務原市
R.047 築140年の古民家を住み継ぐリフォーム 岐阜県高山市
R.001 住宅を「和風カフェ」にリフォーム! 岐阜県高山市
まとめ
今回は人気の調湿・防臭効果を持つ内装材についてご紹介いたしました。未だ終息の見えないコロナ禍において、お家で過ごす時間は大きく増えました。少しでもお家で過ごす時間を快適にするために、様々な商品やサービスが展開される現代。ですが、お部屋で過ごす時間が長くなれば長くなるほど、お家が持つ基本的な機能が大切になります。これからリフォームを検討される方、注文住宅をご検討の方は、ぜひロビンへお問い合わせください。長持ちする良い家についてご相談いただければ、喜んでご協力させて頂きます。ご連絡はサイト上部の電話番号や、ライン相談も承っています。お近くにロビンの店舗がある場合は、お気兼ねなくお立ち寄りください。お家に関する不安や悩みを解消できれば、幸いです。
(文責 坂田 陵)
FEATURED人気の記事
プレハブ住宅は500万円あれば建てられる?トイレ・風呂付きにできるのか
2023.07.03TOTOサザナを選ぶと失敗する?おすすめのオプションを紹介!
2021.08.25キッチン背面収納で後悔しない!おしゃれな事例とアイデア
2023.07.03ランドリー ルームは3畳が最適?広さを決める基準や実例を紹介!
2023.05.30リビングにダクトレールを設置した失敗例とは?おしゃれな使い方も解説
2023.07.03浮いてるトイレのデメリットは?価格や体重制限、耐久性はどうなの?
2024.02.01トイレに手洗いなしで後悔?メリットとデメリット、必要な人を紹介
2022.05.06トイレの窓って、実はこんな役割があるんです!トイレの窓のメリット・デメリットをご紹介します
2021.08.24吹き抜けは寒いとか後悔するって本当?経験者とプロの事例をご紹介しています!
2022.10.30身近な断熱材であったかい玄関を 断熱DIYや最新ドアをご紹介
CATEGORYカテゴリー
TAGタグ
- 補助金
- トイレ
- 30万円以下
- チラシ掲載
- ブラインド
- キッチンリフォーム
- シャワー
- 段差
- 照明
- トクラス
- ダニ
- アレルギー
- 最新
- 新築
- ハイノキ
- リビング
- 岐阜県
- 水廻りリフォーム
- カーポート
- 費用・相場
- 掃除
- タイル
- こども部屋
- 家事楽
- ライト
- ショールーム
- 珪藻土
- サンルーム
- 人工大理石
- 光セラ
- 庭木
- 吹き抜け
- セルロースファイバー
- ビルトインガレージ
- 火災保険 風災
- お風呂
- 簡単
- パネル
- ロールスクリーン
- 石油給湯器
- 光
- 取材
- エコカラット
- 浴室暖房乾燥機
- 建材
- 外壁材
- 天井
- キッチン
- 和室
- 10万円以下
- セパレートキッチン
- 浴室、内装
- すっきり
- キッチン壁
- ファブリック
- ホーロー
- 色温度
- 人造大理石
- 調湿
- 花粉症
- コンロ
- フローリング
- 板張り
- 収納
- 羽島市
- 壁紙
- ガスコンロ
- スタイリッシュ
- ウッドデッキ
- 床の間
- 内窓
- タカラ
- オシャレ
- 岐阜
- 防臭
- シロアリ
- 生活スタイル
- アクセントクロス
- セラミックテーブル
- 背面収納
- 便利
- クロス
- 中古住宅
- ガス給湯器
- 縁側
- わびさび
- パテーション
- 防音
- リフォーム費用
- 中古物件リノベーション
- 高機能
- 床
- 2023
- 旗竿地
- スタイルシェード
- 平屋
- 家事
- 内装リフォーム
- 水まわり4点
- エコキュート
- 癒し
- 伝統文化
- 鏡
- サイディング
- ユニットバス交換
- 施工事例
- 薪ストーブ
- 水漏れ
- クリナップ
- 宅配ボックス
- 核シェルター
- おしゃれ
- ランドリールーム
- リノベーション
- バルコニー
- エクステリア
- 空間
- 住宅
- リフォーム優遇制度
- 北欧
- 12年保証
- スケルトン
- 暖炉
- 防蟻
- ステディア
- テレビ台
- ダイニングテーブル
- 二世帯
- スーパームキコート
- 性能向上
- 岐阜市
- 漆喰
- 天然木
- 窓
- 茅葺き屋根
- キッチンパネル
- 洗面台
- 外装
- ペレットストーブ
- エコジョーズ
- 水
- ベッド下収納
- リクシル
- ウォークインクローゼット
- 外壁塗装
- 古民家リノベーション
- 飛騨市
- レンジフード
- 人工木
- 窓リフォーム
- コテージ
- 内装
- 水廻り
- 防犯
- こどもエコ住まい
- エコフィール
- 除菌
- 新築挨拶
- タイルデッキ
- 全面リフォーム
- 保証
- インテリア
- 水まわりリフォーム
- マンション
- 建具
- 内窓,玄関,
- 合掌造り
- 戸建
- 修理
- 耐震
- 住宅省エネ2023キャンペーン
- 給湯器
- ビルトインコンロ
- クッションフロア
- モールテックス
- 注文住宅
- 外装リフォーム
- リフォーム会社選び
- 水栓
- リビング階段
- 引き戸
- カレー
- 屋根
- お掃除
- ローン
- 不動産
- 外窓
- 電気温水器
- ダクトレール
- フローリングワックス
- 樹脂サイディング
- 防音室
- 10年保証
- 外観
- システムバス
- 土間
- 吊り戸
- レシピ
- 使い勝手
- 階段
- 木
- サッシ
- 窓リノベ
- ユニットバス
- ペンダントライト
- 砂場
- バリアフリー
- テレワーク
- 洗面所
- 老朽化
- 玄関
- 開き戸
- グリル
- 外構
- DIY
- リノベ
- 障子
- トリプルガラス
- 換気扇
- TOTO
- 二世帯住宅
- リフォーム
- 玄関ドア
- 洗面化粧台
- すっきりきれい!
- ペット
- 室内
- 掃き出し窓
- 浴室
- 手すり
- カフェスタイル
- シックハウス症候群
- 節電
- アーチ門扉
- サザナ
- TOTOオクターブ
- 高山市
- 畳
- チラシ価格と費用・相場
- IH
- 軍手
- 和風建具
- バスルーム
- バス
- 断熱
- 家族
- カビ
- 複層ガラス
- 門扉
- フロートトイレ
- シンク
ロビンのリフォーム・リノベーションサービス一覧
ロビンは、換気扇レンジフードの交換リフォームから、設計士がご提案するフルリノベーション、注文住宅まで幅広く対応しております。
それぞれのサービスの紹介、施工事例、お客様の声などをご覧ください。