エコジョーズ、電気温水器……　紛らわしい給湯器の種類についてご解説！

中古物件リノベーションや、二世帯住宅へ増築をする際、もしくは既存の給湯器に不調が見られた際に持ち上がる、どんな給湯器を選べばよいのか問題。給湯器はたくさん種類があるけれども、それぞれどのような機能があるのでしょうか。今ついている給湯器と同じタイプで給湯能力は足りるのか、買い替えが必要なのか。何年も使わず放置していた給湯器は大丈夫なのか。そんな様々な給湯器問題を今回は解決していきます。

お風呂の沸かし方による違い

まずは給湯器に共通する用語、「給湯専用」「オート」「フルオート」について簡単に触れておきます。それぞれおふろの沸かし方を表しており、使い勝手が異なりますので、ご注意ください。

・給湯専用

その名の通り、給湯のみの機能を持ったシンプルなタイプ。追い炊きはできません。

・オート

湯はりから、追い炊き、保温までが自動となるモードを搭載した機種です。

・フルオート

湯はりから、追い炊き、保温、足し湯まで、すべておまかせ全自動。メーカーによって呼び方が異なる場合がありますので、ご注意ください。目的や用途別に、ロビンではご相談も賜っていますので、是非お気軽にお問合せ下さい。

給湯器の種類について

給湯器と一口に言っても、実は種類がたくさんあることはご存知でしょうか。その機能や仕組み、使用感も大きく異なり、設置に必要な面積も変わってきます。導入してこんなはずじゃなかったと後悔してしまう前に、しっかりとその違いをご確認ください。

ガス給湯器

給湯器、と聞けば思い浮かべるのがこのガス給湯器。名前の通り、ガスを燃焼させてお湯を作ります。特徴はパワフルなお湯の供給力。昼でも夜でも、ガスが続く限り暖かいお湯を供給し続けます。ガス給湯器は号数でその能力を表示しています。16号、20号、24号と3種類ラインナップされており、数字の意味は1分間に供給できる水温＋25℃のお湯の量（ℓ）です。水温が13℃の場合、38℃のお湯を1分間に20リットル供給できる給湯器が、20号です。冬場になり、気温が下がればそれだけお湯を供給できる量は減ってしまうため、余裕を持った機種選びが必要です。一般的には、それぞれ下記の居住者数に対応しています。

32号以上の給湯器も存在しますが、主に使われるのは病院や養護施設など。一般家庭で使用するには大きすぎますね。

石油給湯器

石油給湯器とガス給湯器の一番大きな違いは、ずばり燃料です。石油給湯器は灯油を使用し、ガス給湯器はガスを使用します。石油給湯器はその性質上、灯油タンクの設置場所を確保する必要があります。また、灯油が切れるとお湯が出なくなってしまうため、灯油が完全に無くなってしまう前に給油が必要となります。一般的に家族数に応じて下記のタイプから石油給湯器の大きさを選ぶことができます。

石油給湯器はガス給湯器のように流水を直接過熱して供給するタイプと、タンクにたまった水をバーナーで丸ごと暖める貯湯タイプの2種類が存在します。貯湯タイプはお湯を出したり止めたりしてもその温度が一定となる特徴がありますが、構造上お湯の水圧がやや弱いため、2階への給湯などを想定している場合は注意が必要です。燃料の違いはあれど、ガス給湯器と同じように追い炊きや床暖房などに対応したモデルがあります。

電気温水器

電気温水器は、石油給湯器の貯湯タイプと同じように、タンクに溜まったお湯を暖める方式。タンク内の電熱線が深夜にお湯を暖め、日中はそのお湯を使っていくというものです。毎日定量でお湯を使用するご家庭であれば問題ありませんが、日によってお湯の使用量がバラバラであったり、急な宿泊客が多いご家庭の場合は、湯が余ってしまったり、逆にお湯が切れてしまって追加で湯を作る必要があったりとやや光熱費の無駄が発生してしまいます。ガス給湯器と比べると本体価格がやや高く、貯水タンクを設置できる敷地を用意する必要がありますのでご注意を。ただし、それでも燃料価格の関係から、ガス給湯器や石油給湯器に比べると経済的にお湯を作ることが可能です。また、燃焼タイプと異なり騒音や排気ガスを出すことがありません。家族の構成人数によって大まかにタンク容量が決まっており、その対応表は下記となっています。

※メーカーによってタンク容量ラインナップには差があるため、あくまで目安としてご参考にされてください。

タンクからの吸水となる為、お湯の勢いはやや弱くなります。2階にお風呂があるお家やお湯の勢いを重視される方向けに、高水圧モデルも販売されています。

エコジョーズ、エコフィール、エコキュートについて

なんだか似たような名前のこの３つ。どれがどれだかわからなくなってしまいますよね。これらは名前が似ていても中身は別物。ここではそれぞれの特徴を紹介していきます。

エコジョーズって何？

エコジョーズとは、ガス機器給湯器の省エネモデルのことを指します。従来のガス式給湯器は、高温の排熱をそのまま外へと排気していました。そこへ目を付けたメーカーは、排熱をすぐに外へ出さずに再利用する仕組みを作りました。二段階でお水を暖めるため、ガスの消費が少なくなり大変経済的です。本体価格は従来タイプと比べると割高となりますが、日々の光熱費のことを考えると、長い目で見てお得な商品と言えます。

引用元：Rinnai HP　エコジョーズ

注意すべき点は、従来式の給湯器にはなかったドレン排水。排気熱を下げる際、結露した水を外へと流すものですが、給湯器を使用している間は水が流れ続けるため、設置場所や排水先を考慮する必要があります。

エコフィール

エコフィールは、石油給湯器の省エネモデルを指します。内部の仕組みはエコジョーズと似ており、今まで捨てていた排熱を利用することで、同じお湯の使い方でも、燃料代を削減することが可能です。燃料の消費が少なくなるという事は、石油給湯器からすれば灯油の交換が今までよりも少なくなるということ。石油給湯器を採用する場合は、エコフィールを強くお勧めします。

エコキュート

エコキュートは、ガス給湯器、石油給湯器、電気温水器とは全く異なる新しい給湯器です。その仕組みはエアコンが一番近く、熱交換機というユニットを搭載しています。屋外の空気から熱を集め、圧縮機で熱をさらに高めます。ヒーターを使わずとも、最高90℃のお湯を作り出すことができるのです。基本的にはタンクにお湯を溜め、そのお湯を使っていきます。特徴は何と言ってもランニングコストの安さ！　ガス給湯器の約1/3程度の光熱費で日々生活することができます。エコと名の付く他のタイプに比べると、ダントツで省エネなんですね。

とはいっても、エコキュートにも弱点は存在します。まずは本体価格が高めの設定。導入コストがかかってしまいます。また、エアコンと同じように室外機が必要になることと、貯水タンクも設置しなければならない為、場所を取ってしまいます。ただそれらを補って有り余るほどの経済性は魅力的で、給湯器が故障した際、エコキュートを導入する方が年々増加中です。貯水式のため、水圧は低くなってしまいますが、高圧タイプもラインナップされているため、安心です。お風呂に入った後の残り湯の熱を再利用するタイプも登場し、さらに経済的になっています。

給湯タイプもオート、フルオートに対応しており、自動配管洗浄機能を搭載したモデルも。太陽光パネルを搭載されているご家庭であれば、昼間の電力を利用して焚き上げを行えるため、光熱費を徹底的に抑えることが可能です。

古くなった給湯器の対応

給湯器は一般的に、10年が更新のタイミングと言われています。構造がシンプルな燃焼系（ガス給湯器、石油給湯器）や、電気温水器は比較的長持ちする傾向があります。しかし、それも日々使用されていることが前提です。何年も使用されていない給湯器の場合、沈殿した汚れや水の中のミネラルなどが反応し、配管が腐食している可能性があります。貯水式の場合、タンク内の汚れ等も心配です。お湯は普段お皿を洗ったり、洗顔をしたりと常に清潔であることが望まれます。いつから使っていないか分からないような給湯器であれば、交換をおすすめいたします。

まとめ

今回は似たような名前が並ぶ給湯器について解説いたしました。似たような名前でも、その中身は全くの別物。それぞれの特徴やランニングコストも考慮した上で、給湯器を選びましょう。ロビンでは、お客様の生活スタイルやお家の構造、設置場所などから総合的に判断して、最適な給湯器をご提案いたします。給湯器でお悩みであれば、お近くの店舗にお越し頂ければスタッフが対応いたします。サイト上部の電話連絡先や、LINE相談も承っています。ぜひお気軽にお申し付けください。