CEO’s mail:18.10
今年は本当に自然災害の多い年ですね。私の周りでも防災グッズや災害に備えた物の購入を考えている人や実際に用意をしたという声を聞くことが多くなりました。備えるにしても何をどこまで用意したらいいか際限がありませんから難しいものですね。
Robinの蜘手です。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
先日、友人の経営者に誘われてカンボジアの首都プノンペンへ訪れてきました。仕事の合間でしたので短い期間の滞在でしたが、私自身、初のカンボジアでしたので、どんな街に発展しているか楽しみでした。さてプノンペンの率直な感想ですが、「ここは中国か?」と勘違いするくらい中国資本が流れ込んでいました。今のプノンペンを知るにはまず中国の動きを知らなくていけません。
中国の習近平主席は2013年に中国西部-中央アジア-欧州を結ぶ「シルクロード経済帯(一帯)」と中国沿岸部-東南アジア-インド-アフリカ-中東-欧州と連なる「21世紀海上シルクロード(一路)」からなる経済圏の確立や各国理解の増進など、いわゆる中国主導による新たな枠組みを作ろうとする「一帯一路」を提唱しました。現在、各国の各地で大規模な投資をして官民とも大きなプロジェクトが着工し進行をしています。一帯一路の経済圏に含まれる国は60カ国。総人口は45億人。世界の約6割に相当します。貧困や経済難に喘ぐアジア諸国を始め、中国が巨額のお金を投資・貸付を行い道路、鉄道、港湾、空港などのインフラの建設をするというものです。
これについて、日本や欧米諸国は投資が巨額すぎること、またインフラ整備をしてみても生産性も経済発展にも効果が薄いのではないかと、疑問を投げかけていました。そして最も大きな疑念は、中国が覇権主義国として貸付けた国を、次々に植民地化していくのではないか、ということでした。
そして現在、そのヤバさにアジア諸国の国民は気付き始めました。パキスタン、スリランカ、マレーシア、モルディブの政権選挙では中国にすり寄った、いわゆる親中政権がどれも敗北。マレーシアのマハティール首相は就任後、一帯一路を中国の新植民地計画だと明言しています。
さてカンボジアは今年の7月に選挙を行いました。今回、フン・セン政権は強権を利用し救国党のケム・ソカ党首が国家転覆を企てたとして一方的に逮捕。事前に法改正した政党法の規定に基づき、最大野党を解散させました。今回の選挙結果はフン・セン首相率いるカンボジア人民党が95%以上の120議席を獲得し圧勝。事実上の一党独裁となりました。この経緯について、EUは反発。カンボジアの民主主義の後退だとして重く受け止め、経済制裁を検討していると発表しました。
このフン・セン首相は他のアジア諸国と違って、中国にベッタリと擦り寄っている政権です。
私が現地ガイドに政権が安定していると思うか?と聞くと、これほど安定している政権はない、と言った。もちろん綺麗事だけじゃない。フン・セン氏やその家族、また中国マネーについての噂は知っているが、今のカンボジアは中国なしではやっていけないと言いました。またポルポト政権後期、大変な憂き目にあった国民からすれば、中国であろうとなかろうと、お金が入ってきて、仕事が成り立つだけで有難いところなのでしょう。私は滞在中、アンコールワットを見学に郊外のシュムリアップへ行きました。一大観光地のシュムリアップですが、中国マネーの香りはしますがプノンペンほどではありませんでした。今回、現地の方に地方での仕事や現在の政治について話を聞きました。話の流れでプノンペンの中国化の話題を振ったら率直な意見を聞かせてくれました。
「お金が入るのは嬉しい。しかし依存しすぎている。特に地方の私たちのような若者は、このままカンボジアが中国になってしまわないか、不安に思っています」と言っていたのが印象的でした。
その国の事情があるにせよ、経済繁栄か、それとも国家自立の道をとるか、難しいものですね。
株式会社ロビン 代表取締役 蜘手健介
最高経営責任者 蜘手 健介
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