CEO's mail:09.04
先日、仕事で熊本へ行ってきました。私自身、初の熊本でしたので「せっかく来たのだから仕事だけでは」と思い時間を見つけては観光をしてきました。実は私のカミさんのご両親は熊本出身ということもあり、馬刺し、辛子蓮根は知っていたのですが本場の味はまた格別ということでしょうか。宮本武蔵が晩年、五輪書を書くために篭ったという「霊巌洞」、また加藤清正の築いた「熊本城」など少ない時間でしたが、熊本ならではの観光もさせて頂きました。
さて、そんな熊本ですが阿蘇のふもとにある「大野勝彦美術館」に立ち寄ってきました。館長でもあり画家でもある大野さんにもお会いでき心温まるお話、また勇気づけられる言葉をたくさん頂いてきました。
大野さんは45歳の時に、仕事である農作業中に不慮の事故にあい両手を切断するということになってしまいます。本人曰く、自暴自棄になり人生にあきらめを感じていたそうです。その中でもとりわけ残念だったのが、親や子供をもう抱きしめてあげられないという現実。背中を流してやることもできないということがとても残念だったそうです。しかし大野さんのくじけませんでした。
まず「現実を受け入れる、これも運命なんだ」と思い立ったそうです。そして絵と出会います。それが今ある姿のスタートでした。絵にはもちろん腕が必要です、では何で書くか?自ら開発をし研究をした「義手」です。その義手に筆を挟み絵を描くのですね。すごいなあ、の言葉しかありません。 そんな美術館には多くの絵、そしてメッセージがかかれています。時には人生の応援歌、「負けてなるものか!」そして時には「母ちゃん、ごめん、もう抱きしめてやることもできないんだ」と人間の部分も。その1つ1つの絵に感じる力と愛に触れることで涙なしには見ることはできませんでした。ハンデを乗り越えるという安直な表現しかできませんが、「これが腕のない人の絵か!」と感動しました。
ショーベン・ハウエルの言葉に
「強い人間は自分の運命を嘆かない」というものがあります。
自分のおかれた環境、境遇、持って生まれた顔、体。家族。そんなはずはない、信じたくないということも多くあります。誰もが弱い人間です。もちろん私もそうです。大野さんも腕を失った時、大変な思いをされたでしょう。そのお気持ちの代弁すら私にはできません。親や子供を抱くこともできないという無念。相当な思いがあったでしょう。私は聞きました。
「腕がないということでは絵を描くという発想ができませんが、なぜ絵なのですか?」
すると大野さんは「逆境にあってもあきらめない。夢は必ず叶うし、どんな状況になってもあきらめては駄目だということを伝えたかった」と言われました。そして「人間、退路を絶つことによって見えてくるものもある。私にはこれしか表現する方法がなかったのです」と言われました。大野さんは現実を受け入れました。そしてこれは運命だったのかと信じたそうです。ハンデというのは本人がどう思うかだけで実は何のハンデでもないのかもしれません。あきらめないという気持ちは「運命を受け入れる」という簡単なようでとても難しいことなのですから。
旅は人を成長させるといいますが今回の旅はまさしくそれでした。大野さんにはこれからも数多くの人に愛と勇気を絵に乗せて運んでほしいと思いました。今の自分と環境に感謝をし、人生を豊かにしないといけないな、と思った熊本出張でした。
最高経営責任者 蜘手 健介
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