2023年1月 正月休みと静養 いい仕事といい会社
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
皆様、お正月休みはゆっくりできましたか?私はこのお休み中に新型コロナウィルスに罹患し、静養休暇を送っていました。熱も37度前半で、喉の痛みも咳も少ないのが幸いでした。頭痛がしばらくありましたがこちらも治り、後遺症なく仕事始めを迎えた次第です。まだまだ落ち着かない日が続きますが皆様もご自愛ください。
さて12月、大阪へ行った際の話をご紹介したいと思います。仕事で3年ぶりに大阪を訪れ、会食までに時間があったので以前は定宿にしていた梅田のホテルのバーへ行きました。
「蜘手さん、お久しぶりです」 バーのスタッフが声をかけてくれました。3年ぶりに訪れたのですが私のことを覚えてくれていたようでした。
「おお、久しぶり。3年ぶりに大阪へ来たよ。皆さん、変わりない?」 するとスタッフの方はこう話してくれました。
「いや、この3年間は本当に大変でした。実質的に2年間はバーを閉店していました。緊急事態宣言などもあり、観光客やビジネス利用の方も激減しました。出勤も週に3回くらいになりましたし、出勤をしても雑用をしていました。給与も40%カットされました。これじゃ食えないとホテルスタッフも108名が退社しました」
「よく辞めなかったね。大変だったでしょう」
「私はこのホテルと職場が好きなので辞めるつもりはなかったのですが、精神的にキツかったです。仕事のない日はスーパーでレジのバイトもしていました。今はフル出勤に戻りました。でもコロナ前は当たり前のようにあった残業は今はありません。ですから給与の手取り額は以前より減っています。でも今は好きな仕事ができるだけで本当に有難いです。こうやって以前からの常連さんにもまたお会いすることができたのですから」
私はこの話を聞いて涙が出そうになりました。幸せとはその人の価値観であり他人と比較をするものではありません。何が幸せで何が不幸せなのかを測るものさしはありません。もちろんお金に苦労しなければそれにこしたことはありませんが、「仕事があるということが決して普通ではない」という経験をした人の「苦しくても辞めなかったのはこの仕事が好きだから」という言葉が深く私の心に残りました。
この言葉を聞いて思い出したことがありました。若い頃、車を買おうと各メーカーのショールームをまわったことがあったのですが、富士重工(現スバル)のショールームへ行った時のことです。「すみません、車を見せてください」と声をかけ、若い営業担当の人が車の紹介をしてくれた後、富士重工の歴史を語りはじめました。
かつての日本軍のゼロ戦は三菱重工業が開発したがそのエンジンは中島飛行機社、今の富士重工だったこと。戦後、量産型軽自動車である国民車としてスバル360が誕生し今でも愛好家がいること。国産初の乗用車タイプ4WDとしてレオーネを発売したことなど、当時の私が知らないことばかりでした。
今そのことを思い返してもどんな車を見たかなどは覚えていません。しかし「この人、本当に富士重工のことが好きなんだろうな」と印象に残ったことだけはしっかりと覚えています。
私も経営者になって20年以上が経過しました。これまでに色々なことがありましたが、それなりに理想や思いを持って経営してきたつもりです。
社員にこの会社を好きであってほしいと思うのは押し付けがましくて気がひけますね。しかし仲間と会社に誇りとプライドをもち仕事に取り組んでいてくれているなら、なんて素晴らしいことだろうと思います。経営者としてそんなに幸せなことはないしその思いに応えるリーダーでありたいと強く思うのです。
「いい仕事」とはマニュアルや業務効率で生まれるかもしれませんが、「いい会社」は働く社員の愛情があってこそ育まれるものだと感じています。今年も精進を重ねていきたいと思います。皆様、よろしくお願いします。
株式会社ロビン 最高経営責任者 蜘手健介
最高経営責任者 蜘手 健介
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