2022年5月 行動規制のない大型連休 事故と違和感
青葉の美しい季節になりましたね。庭の雑草もスクスクと育ちどうしたもんかと思案しているRobinの蜘手です。
今年は3年ぶりに行動規制のないゴールデンウィークでした。
高山市が発表した観光客の動向分析によれば、今年の大型連休で高山市を訪れた人は昨年の2.4倍、4月30日は昨年の3.8倍だったそうです。昨年はまん延防止等重点措置期間中でしたので、単純比較はできませんが徐々に日常に戻りつつあるのでしょうか。古い町並みも多くの観光客で賑わっていました。ここに外国人の姿が加わってくると「観光都市・飛騨高山」の風景になりますが、それはいつになることやら。
私は特に遠出する予定もなく地元に引きこもりの休日でした。さぞ家族団欒の日々になると思いきや、大学生の息子と娘は帰郷せず、家人も「4〜5日帰らない」と出かけた始末。岐阜県民は連休になると仲間を呼んだり、家族でバーベキューをするのが定番。自宅のご近所でも屋外で皆さんが楽しんでいる音と匂いがしていましたが、私にはそんなお誘いもなく、地元で社員とゴルフ、そして仕事と変わらぬ日常を過ごしていました。皆さん、連休はいかがお過ごしでしたか?
さて痛ましい事故が北海道の知床で起きました。4月23日、北海道の知床半島沖合で乗客・乗員26名を乗せた観光船「カズワン」が沈没し5月3日現在で14名が死亡、12名は行方不明となっています。海水はまだとても冷たく、事故現場付近は海岸もほぼ存在しない場所という事で生存者発見の望みはかなり薄いようだと伝えているメディアもありますが、1日も早く被害に遭われた方が発見されることを願うばかりです。
この事故を受けて観光船運営会社の安全管理や社内体制、経営者や乗客乗員の個人情報などに衆目が集まっています。私はこのような事故のニュースをきっかけに、自社の運営について振り返って考えています。
そして以下のようなメッセージを全社員に送りました。
建築業界で重大事故に関わる事といえば現場の火災、高所からの落下そして自動車事故が頭に浮かぶ。普段から気を付けているようで毎日の業務の中でおろそかになっている事もあるだろう。今一度、気持ちを引き締めて業務にあたって欲しい。また災害や事故は1つの原因が起こす結果ではない。大きな悲劇が起こるのは、同時にいくつかのことが重なった時である。悲劇のタイミングは偶然かもしれないが、結果は起こるべくして起きた必然だ。
例えば高所作業がどんなに危険でもすぐに事故になる事はない。面倒だからといって作業用の靴に履き替えなかったり、慣れているからと安全確認を怠ったり、イラついている事があって集中できていなかったなどという事が重なって事故が起きる。現場での物理的な問題。それからそれを誘発するそもそもの要因と遠因。気を引き締めるとはどのような意味か?それは「ほんの小さいことに関心を持つ」事である。
クレームや事故や災害の原因はもちろん、仕事の質を上げるヒントは普段の仕事の中に潜んでいるものだと考えられるからだ。例えば、観葉植物の葉が枯れたまま、トイレットペーパーの補充がない、いつも玄関の傘立てにたくさんの傘がある、昼休憩が長い、靴が整然と片付けられていない…などという事に関心が払われている職場とそうでない職場では明らかに成果は違うものになる。また「違和感」も重要である。何かいつもと違う、何かおかしいという違和感。現場へ行く回数が増えれば当然、感度も上がるから経営者は現場に行かなくてはいけないとよく言われる。社員ではわからないが経営者なら感じられる違和感があるからだ。(そのような意味で現場に行ける人が社長になるべきだと考えている)
結果には必ず原因がある。その原因の1つ1つは大した事ではない事が多いが、同時に起きると大きな悲劇になる。私たちにできる事は日頃の仕事に潜むその原因に気づき、そして改善をしていく事である。悲劇は対岸の火事ではない。自らを振り返り、また自らを戒める機会にしないと犠牲者が浮かばれないだろう。
(以上、ここまで)
4月から新人も入っています。今日も安全第一で仕事を終えてほしいと願う次第です。
株式会社ロビン代表取締役 蜘手健介
前回のコラムはコチラから
2022年4月 春に思う。社員大会、入社式など
最高経営責任者 蜘手 健介
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