(49)三寒四温、サイクル、企業の寿命(2025.3.10)
3月初旬、宮崎へ訪れた。例年は半袖でゴルフも楽しめるのだが今年は違った。曇天に小雨。肌寒い日程が続いた。宮崎だけが寒いのではなく日本全国に寒波が襲った時期と重なったようだった。
三寒四温という言葉がある。冬の終わりから春にかけて、寒い日が三日続いたかと思えば、暖かい日が四日続く。この繰り返しによって、季節は少しずつ移ろい、本格的な春を迎える。
しかし、サイクルが存在するのは気候だけではない。社会のあらゆる分野に周期性がある。インフラ、経済、そして経営。これらもまた、一定のリズムで盛衰を繰り返す。
埼玉県の八潮市では道路の陥没が問題になっている。道路の陥没は突発的に起こるように見えるが、実際には長い年月をかけたインフラの劣化が原因であることが多い。
道路や橋梁は、高度経済成長期からバブル期にかけて整備されたものが多く、既に耐用年数を超えていることも少なくない。公共工事には予算の余裕があり、補修が後に手に入ることも多い。
本来、基盤は計画的に更新されるべきだが、一時的な事情や社会的な優先順位の変化によって、整備のタイミングが逸れる。結果として、一定の期間が過ぎた後に問題としてトラブルが頻繁に発生するという現象が起こる。
全ての構造物には経年劣化があり寿命がある。先述の八潮市の下水管は42年前に敷設されたものだった。一般的に水道管は50年を目安に更新の必要があると言われている。
季節や構造物にはサイクルがあるが、経営の世界にもサイクルがあるとされる。
よく耳にするのが「企業は30年周期で変化する」という説だ。創業から成長期を経て、安定期に入り、緊張退行期を迎える。この流れは、日本企業においても数多くの例が見られる。
例えば、高度経済成長期に生まれた企業の多くは、バブル崩壊を経て事業変革が迫られた。そして、21世紀に入ってIT革命によって従来型のビジネスモデルが通用しなくなり、新しい競争環境に適応できなかった企業が淘汰されていった。
また、バブル期に向けて成長した企業も、今進歩の時期にはある。 1990年代に勢いを増した企業は、2020年代の現在、30年の節目を迎え、変革の必要性が迫られている。 たとえば、日本の家電メーカーは、1990年代には世界を控えているが、今では韓国や中国企業に押され苦戦している。 これは単純競争の激化ではなく、経営のサイクルであることが変化の一例である。
ではこのサイクルをどう活かすか。重要なのは「次の周期を見越した行動」を見据えて計画を立て実行することだ。気候の変化に備えて衣替えをするように、インフラや経営においても、周期的な変化を予測し、適切なタイミングで手を打つことが求められる。
インフラであれば、老朽化する前の計画的なメンテナンスが必要だ。経営であれば、30年目ごとに事業の方向性を見直し、次の成長に向けた戦略を立てることが重要になる。
前回、京都のみやこリフォーム社でYouTube集客について最前線の話を聞いた。今はチラシとW E B集客でうまくいっていると思っていることが次の成長を阻害する成功経験だと感じた。弊社も今年で25年目。経営計画の刷新はもちろんだが、次なる10年は企業寿命の30年を跨ぐことになる。つまりこれまでの10年とはまるで違う「経営サイクル」の節目を体験することになる。
しかし私はその季節の変わり目を楽しみにしている。三寒四温が春の到来を宣言できるように、あらゆる分野でサイクルの波を意識することで、未来に向けた準備をするのが楽しみで仕方がない。
サイクルの法則を味方につけることこそ、持続的な発展への鍵となるのではないかと思う。
私はそれを楽しみたい。

最高経営責任者 蜘手 健介
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