(39)終わらない国民の節約志向、未来が見えない国家(2024.12.30)
総務省が毎月発表している「家計調査報告」の「消費支出(二人以上の世帯)」を見ると2023年3月から前年比マイナスが続き、2024年もその傾向が続いている。つまり国民は「節約志向が続いている」という結果である
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf
勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)では2024年は前年比を超えた月もあるが、これは前年が大きくマイナスになっている月もあることと令和6年4月1日に施行された「定額減税」の影響があると思われる。こちらは延長がなければこの12月で終わる予定だ。
先の衆院選挙にて過半数割れをした自公連立政権は来年度予算編成を前に野党との協調が必要となってきた。イニシアチブを握っているのは国民民主党と維新の会。国民民主党は手取りを上げるとして基礎控除等を103万円から178万円への引き上げるよう求めておりネット、S N Sでの支持が高い。
国民民主党の政策はどちらかといえば「生活に超苦しい人たち」をターゲットにしている。確かに年末に103万円を超えるか超えないかで出勤調整をしているパートさんも見かけることもある。財務省はそれを実現すると国と地方の合計で7〜8兆円が消えてなくなるという。「ホンマかいな」と思う節もある。
(2023年度の一般会計税収は約72兆円、このうち法人税収は約15兆8600億円。中小企業の7割が赤字ということを考えると、法人税収のうち中小企業はどのくらいの割合なのだろうか。7〜8兆円の税収が無くなるという根拠は不明らしい)
一方、日本維新の会。12月初旬に共同代表になった前原氏は高校の授業料無償化、要返済の奨学金9.4兆円(これも本当?と思える数字だが)の返済免除などに言及しているが、民主党政権時代を思い起こすかのような“思いついたことを適当に言ってみるか”のスカスカ具合が変わっておらずこちらはどうにも頭が痛い。
ところでネットで政治系の番組をみていると「財務省が過去30年間の経済不況を作った根源」といったものを散見される。私は半分は合っているが半分は間違っていると思う。
財務省の税収を上げる方法論はともかく日本の国家予算の原資を確保しなくてはいけないのだから取りやすいところから取るのは仕事として致し方ないと思う。
日本が30年間、欠けていたのは国家の礎である「熱心な勤労・労働」を軽視したこと。そして「経済のパイをいかに大きくするか」という議論がされなかったことでないだろうか。
日本国家と企業経営は似て非なるものだが、企業経営には2つの利益がある。売上を大きくすることで得られる利益とコスト構造を見直すことで得られる利益だ。売上を上げるのは営業系の仕事で、コスト構造を見直すのは事務方の仕事。このバランスで企業経営を回している。私は営業系なのでコスト構造を見直すのはあまり得意ではない。
国家経済をいかに大きくするか。これは政治家の仕事。構造を見直し効率化を進めるのは官僚の仕事だと思うのだが、日本の政治家は経済のパイを大きくするかに関心がない。
命を投げ打って国の礎を作らなくてはいけない政治家が自分の生活と財布ばかり気にしている。日本が矮小化したのは政治家のレベルが矮小化したからであると思う。
松下幸之助爺の言葉を借りると「国民は自らの程度に応じた政治しか持ちえない」つまり国民が日本の将来や国家像より自分の暮らししか考えないから政治家も国家もそのレベルになったのだということになろうか。
経済とは消費行動である。人口が半分になるのなら消費も半分になる。自分の将来が不安なら貯金もする。
経済のパイを大きくするのは、大企業でも中小企業でもない。消費をする1人1人である。そのためには安心して消費したくなる国を作る必要がある。政治家は役に立たないなら、やはり中小企業、サービス業にもっと自由さと納税したくなる仕組み、システムを構築してほしいと思う。
最高経営責任者 蜘手 健介
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