(32)民意と選挙 国民生活における経済とは?(2024.11.11)
先日、飛騨高山と岐阜を行き来する東海北陸自動車道から清見から高鷲の辺りにかけて鮮やかな紅が目に入ってきた。紅葉が始まるのは1日の最低気温が8度以下になることが条件だという。日中が気持ち良い晴天でも朝夕は冬間近という気配を感じるようになったこの頃。
10月27日に行われた衆議院選挙では結果的に自公が過半数の議席を確保できず惨敗。自民党の苦戦は選挙前から予想されていたがそのまま結果として現れたな、というのが感想だ。
高山市は岐阜4区、古くから自民党が強く金子氏が3世代続いている岩盤選挙区だった。今回は3代目の金子俊平氏(46)も落選。逆風か、それともそもそもの実力不足なのかはわからないが「ただの一般人」になってしまったここからが本当の勝負。様々な意見はあると思うが「行くも地獄、戻るも地獄」だと腹を括れるかどうかだ。若いから頑張ってほしいと思う。
国民ができるのはここまで。11月11日には特別国会が招集され首班指名があるようだ。すんなり石破氏が指名されるのか、それともサプライズがあるのか。楽しみに傍観したいと思う。
選挙といえば米国でも大統領選挙が開票され共和党のトランプ氏が4年ぶりに再選をした。
私はトランプ政権だった時に米国へ行った際、ガイドの女性の方に
「トランプ政権って実際はどうなのですか?」と聞いたら
「オバマ政権の時は政策的に物価を安くしてくれたので食料品など日常的に買い物をする女性は嬉しかったが、税金を高くしたので手取りが減る男性があまり喜んでなかった。トランプ政権では逆に物価が上がったから家計は苦しくなったが、減税で手取りが増えた男性が多く、トランプ政権は最高だという人も多かった」と言っていた。米国はこれで民主党から共和党に政権交代である。
今回、日本の衆議院選挙と米国の大統領選挙があったわけだが共通しているのは「現政権への反意表明」だった。日本は政権与党である自民党・公明党、そして米国では民主党。今の生活の不満、不安がそのまま現れた結果となった。
ところで今回の日本の選挙では「国民生活」と「経済」という言葉をよく耳にした。そもそも「国民生活」における「経済」とは何を指すのだろうか。株価?大手企業の業績?税収?GDP?またそれらの総称?一部の私たち国民は「経済とは何を指すのか」よくわかっていないのではないか、その定義がはっきりしていないのではないかと感じた。だから経済がよくなるために私たちがすべき行動がよくわからないである。
思うに「経済」の本質は「消費行動」である。
買いたいものがあり、消費したいサービスがある。そのために良い商品、サービスを提供し競争をする。企業業績をよくすること、株価が上がることもそこに直結しなくてはならないと考えている。
過去、消費が旺盛だったのは戦後の物がない時代(高度成長期)や世界に追いつけ追い越せという気概のあった1980年代(バブル期)だった。
今はモノに溢れ「特に欲しいものがない」という世の中になりつつある。不景気が長かったせいか倹約、節約、断捨離が美徳とされる風潮もある。給与が上がらなくてもいい、その理由の1つもこれである。
「消費行動」にもう1つ重要なのは国民の「未来への不安の払拭」だ。
この国の未来は安心だからお金を使ってほしいとメッセージを出さなくてはいけないのに「老後は貯金2000万円が必要」と国が発信したこともあった。
これから政府は年収103万円の壁、手取りを増やすという政策協議に入るようだが、手取りが増えてもおそらく消費ではなく貯金(今ならNISAとか)に回す人も一定数いる。実際に過去に政府が現金給付を何度かしたことがあるが6〜7割は貯蓄に回ったという報道もあった。
この本質はこの国が信用できないから、この一言に尽きる。これも消費行動にブレーキをかけている1つの現実なのだ。
政治家の仕事は国民が未来に対し安心をして消費できる国にすることだと思う。そこに全てを集約し法律、政策を実行してほしい。
そのために国民生活を支えている中小企業の支援、せめて足を引っ張らない国になってほしいと願う。
最高経営責任者 蜘手 健介
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