(24)仕事を楽しむこと、大人の所作(2024.9.16)
3連休の最中、自宅に荷物が届いた。いつも見かける若い宅配の社員だった。
「連休中も大変だね、お疲れ様」と声をかけたら
「連休もらってもやることがなくて。仕事が楽しくて仕方ないから仕事をしていた方がいいです。本当に面白いんですよ、この仕事」という意外な答えが返ってきた。
意外というのは宅配の方に失礼だが「宅配の仕事、何が面白いんだろう」と考えてみた。
配達仕事には毎日新しいルートやお客様との出会いがある。同じ場所に配達することもあれば全く場所を訪れることも新しい発見もあるだろう。
お客様と対面し感謝される仕事だ。それが面白さとやりがいにつながっているのだろう。
一方、肉体労働である。時間に追われ、重い荷物を運んだり、駐車する際の交通状況も常に気にしたりしなくてはならない。荷物が遅れれば嫌味も言われるだろうし、不在のたびに何度も行くのも楽ではないはず。人によってはストレスを感じることの方が多いのではないか。
何事にも表と裏がある。それを総合しても「面白い」とまで言い切れるだろうか。
もしかして面白いというのは「仕事」ではなくその人の「考え方」なのではないか。どんな仕事でも楽しむ、そんな心を持っているのかもしれないと思えてきた。
米国の思想家ラルフ・ワルド・エマーソンは
「人生は旅であり目的地ではない。だからその瞬間を楽しむことだ」と言葉を残している。
仕事は自分の好きなことや得意なことで選べるものではない。通勤距離や報酬、休みなどの条件、企業の認知度も選択肢の1つだろう。
また好きなこと、得意だと思っていたことが実際、仕事にしてみるとそうじゃなかったということもある。
自分のやりたいことを探し続ける前にこれを1つの縁だと思い、魂を込めて仕事に向き合う。どんな状況でも楽しむ心や面白くするという気概を持つことはとても重要なのである。
住宅リフォームの仕事も「楽しみや面白さ」と「しんどさ」の量でいえば後者が圧倒的に多いと思うが、楽しく面白く、充実感を得られる瞬間の質はそれに勝ものはない。
経営者として社員に「仕事を楽しめ」と伝えているかと自問した次第。
閑話休題。
今の世の中は何でもオープンにすることが求められがちだ。以前は隠し通せたこともSNSやメディアの多様化もあり、裏側や真実を知りたいという欲求に応えるべく多くの情報が表に晒されている。
それ自体は悪いことではない。知らないことを知ることは知見も拡がるし、結果的に知識は力にもなる。企業の立場でいえば透明性は信頼を生むことにもなる。
しかし知らなくてもいいこと、知る必要のないこと、むしろ知らない方がいいこということも同時に大切にした方がいい。
例えば私は芸能人に興味はないが映画やドラマなどの作品は面白い。芸人の下ネタなどどうでもいいが完成された舞台やコントはとても面白い。
ネットフリックスでF1やNBA、アメリカンフットボールのスター選手の派手なパフォーマンスの裏側にある苦労や苦悩、家庭での横顔などスポーツ選手のドキュメントなどがシリーズ化されているものがある。
中でもプロレス団体「WWF」のビンス・マクマホンを収めた「悪のオーナー」はとても面白かった。これまで「ケーフェイ」(裏の約束事、フェイクという意味を持つプロレスの隠語)が赤裸々と公開されている。
私はプロレスが好きで特に最近は新日本プロレスをよく観ている。有料会員になりライブ中継を見ることもあるし、岐阜や名古屋で開催される時は会場にも足を運ぶ。「ケーフェイ」それも含めてプロレスはストーリーがある真剣勝負エンターテイメント。
裏はどうなっているのかと覗くのは野暮で無粋というもの。知らなくてもいいことは知っていても知らないふりをするのが大人の所作である。
最高経営責任者 蜘手 健介
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