（15）行動の動力源　好奇心、向上心、競争心（2024.07.15）

もうすぐパリ五輪が開催される。

パリと日本との時差は７時間で日本の方が早い。平均気温は２５度だというから暑い日本とは大違い。花の都パリ。羨ましい限りである。

３年ぶりの五輪。日本人選手の活躍に期待したい。

　さて先日、弊社の年２回実施している半期査定・評価に関する役員会議があった。事前に各エリアで開催された個人面談の報告を受け意見や質疑、課題に関する議論をした。社内にさまざまな意見がある。１つ１つ丁寧に聞き受容した。

経営者の仕事は「与えられた環境で最大限のパフォーマンスを出すこと」だ。

そのために従業員に「個人の能力を最大限に活かせる環境を与えること」を重きに置かなくてはならないと私が考えている。

もちろん結果の出ている人とそうでない人の差はつく。結果の出ている人は高評価の対象になるが、結果が出ていないからといって低評価になるとは限らない。弊社の査定会議は単純に結果を見て人物をジャッジする会議ではない。本人の資質と適正を見極め短期、中期、長期的に何を期待しているかを再確認する会議である。半期の結果如何に関わらず、プロセス、つまりどう発信し行動できていたかということも大きな査定基準の１つにしている。

閑話休題。

私は行動をする動力源にあるものを３つのKとしている。好奇心、向上心、競争心だ。好奇心は老若男女に備わっている本能だ。強い弱いはあるかもしれないがゼロの人間はいない。

向上心は自分を高めようとする意思だ。向上心は次の３つによって育まれる。まずは環境。上場するのが当たり前の環境に身を置けば自然と自分も上場しようと思うだろうし、勉強することが当たり前の環境ならそうなる。

そして仲間。向上心の高い連中が集まる場所に身を置くだけでは自分がうまくいかない時、心が折れそうな時。そんな時、心おきなく相談できる仲間が必要だ。切磋琢磨しお互いを高める仲間は一生の友となる。

最後に師匠だ。自分を高みに置きたいと思えば、導いてくれる師匠（メンター）が必要である。また迷った時や辛い時、先が暗くて見えない心が苦しい時に一隅を照らすヒントを与えてくれるのも師匠である。キリストには洗礼者ヨハネがいて、空海には恵果和尚、大日如来がいた。ブッダは自然を崇拝し自分自身の心の中にそれを求めた。師匠は時に人物であり書であり、みえない何かという人もいるだろう。人生を導いてくれた師匠は常に一緒にいる人ということでもない。短い付き合いだったが、今のきっかけを与えてくれた人だったりすることもある。

競争心は２種類ある。向上心が伴った競争心、向上心が伴わない競争心。後者では一時的によい結果は出たとしても継続できない可能性が高い。仕事はゴールのないマラソンのようなもの。継続性を自分でどう維持できるか。そうなると向上心が伴った上での競争心を磨きたい。向上心がない競争心は自分の名声や立場維持のために虚偽や誤魔化しをするようになる。

目標達成のため競争心を行動の動力にすることは悪いことではない。瞬間風速的にならす継続して良い結果を出すためには向上心が必要だ。

向上心を持った人はどんな結果にも関わらず、人を惹きつけ魅力ある仕事をしてくれる。会社にとって結果が重要なのは間違いない。利益がなければ会社運営はいつか立ち行かなくなる。しかし結果を追うだけの会社は常に砂上の楼閣にいるのだと自省している。

常に自分の仕事に課題と疑問を持ち、お客様のために何が必要かを考え、問いかけ、努力する人、弊社ではこのような人を高く評価したいと思うし、その文化をしっかりと守りたい。

オリンピックに出て金メダルが取れればそれは最高ですが、その後も人生は続く。

どんな状況でも向上心を忘れてはいけない、そう思う今日この頃。