「投資」と「消費」 「資産」と「費用」
その支払いは「投資」か「消費」か
お金の使い方には「消費」と「投資」がある。
例えばお腹を満たすための食事代は「消費」、価値が高く気づきのあった食事代なら「投資」。楽しく気分が晴れやかになる旅行は「消費」、事業のヒントになる何かを得られた旅行なら「投資」。
フランスには「素敵な靴はあなたを素敵な場所に連れてってくれる」ということわざがあるがこの靴は「投資」ということになるし「金のがちょう」も「投資」である。
前向きで成長志向のある人はこの「投資脳」を持ちあわせていて「投資」と「消費」をうまく使い分けている人が多い。投資はするが消費には1円の妥協もせず安い方を選ぶ。
勉強会や視察などの移動は「投資」だからグリーン席やビジネスクラスで、遊びの移動なら「消費」なのでリーズナブルな席でという人もいた。(そういう人は遊びも投資に変えてしまうが)
「投資」には回収が必要だが、失敗もつきものだ。しかし投資脳を持っている人は失敗からも学んでおり結果的に成功する可能性が高い。
逆に何をやってもうまくいかない人は常に「消費脳」である。勿体無い、使えればいい、時間がない。このような人は常に消費をしているので後悔もないがリターンもない。
では社員の給与は「消費」か、それとも「投資」だろうか。成長が見込めず期待以上の仕事をしない社員は「消費」、成長余白あり、意欲もあり将来のリターンも大きいなら「投資」だ。
投資社員なら先行投資としての高額給与でも構わない。しかし消費社員なら1円でも安く使いたい。 高収入、高年収になりたいと思うなら「消費対象」ではなく「投資対象」の人材になるべきだ。
SNS時代になってパーソナリティな情報を公開できる時代になった。中には「性」を売りにコンテンツに伸ばしている人もいるようだが「消費される」か「投資されるか」の違いは大きい。
消費されて集めたお金は消費にまわる。投資されて集まったお金は投資にまわる。使い道のないお金を積み上げている人は消費されて集まったお金を使いきれないという人。残念であり社会的価値は低い。本人は理解していないかもしればいが、最近の若者は消費される傾向にある。若者よ、消費されるなかれ、である。
話は変わるが昔から「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と言われてきたが、これは使ったお金、払う金額を「消費」ではなく「投資」に変えろということだ。
投資脳を持ってお金を使っていけば必ずいくらかは回収できるし社会的価値も高くなる。
「資産」か「費用」か
「会社の車両はリースですか買い取りですか?」
「モデルハウスを作りたいのですが銀行借入れの方がいいでしょうか?」
中小企業の経営者なら「買い取りかリースか」「借り入れ(ローン)か現金払いか?」と迷った経験があるだろう。
その場合、私は「費用」か「資産」で判断するこことにしている。基本的に「費用」は手元現金で「資産」なら借り入れ(ローン払い)でもOK。
例えば工事車両のトラックの場合、廃車にするまで乗るつもりなら費用だから費用扱いになるリース払い。役員や経営者の車両で5年後に下取りに出す、またはいくらかの価値が残るなら買い取り。この場合はローンでも構わない。
現金は最も流動制が高い資産。いざという時や勝負時に使う流動制が確保しておきたい。もちろん手元資金に十分に余裕がある場合は無理に借り入れやにローンを組む必要はないが、資産を手元現金で払い口座が空っぽになり、費用のために借り入れに奔走することは避けたいものだ。
最近、スマホは分割払いで買う人が多い。消費財だと思う人は現金で買うべきだし、お金を生み出す資産とするなら分割払いで買ってもいい。
費用を借り入れで買うのは、身の丈の合わない費用支出だという証である。ギャンブル、飲み代、デートはお金を借りてやるものではない。いつか自分を苦しめることになる。身の丈にあった支出で賄うべきである。
資産を借り入れで買えるなら、株券や債権も本来ならそうしたい。日本では資産運用は自己資金でという文化がある。しかし2%で借入れて金利5%の債権を買うと、3%は回収できる。金利差があればそれは投資機会である。
「消費」か「投資」か。「費用」か「資産」かという話はお金の本質を知る面白い考え方だと思う。
最高経営責任者 蜘手 健介
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