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2016.02.12
アユタヤの風に吹かれて
アユタヤの風に吹かれて
元プロ野球、清原選手の覚醒剤所持での逮捕をバンコクで知った。野球少年であった私にとって清原選手は本物のスーパースターだった。
バンコク。今回で何回目になるだろうか、4泊5日の日程。例年に比べ暖冬の日本だが、バンコクは連日30度を超え、日本でいう夏の季節。
1月正月からぶっ通しで動いてきたのもあり、リフレッシュできたショートバカンスであった。
例年だとスケジュール一杯にゴルフを詰め込むのだが、今年はその合間に様々なところへ出掛けて来た。国技であるムエタイも観戦した。多くの観客が賭けをしているようで声援は大きく、迫力があり、とても面白いものだった。聞くところによると20バーツから100バーツと少額だそうだが、市民の娯楽として楽しんでいるようだった。
市内の寺院も回った。エメラルド寺院を呼ばれる王宮とワットプラケオ、46mの涅槃像があるワット・ポー、朝日が最初に差し込む場所であることから暁の寺と呼ばれるワット・アルン。有名どころばかりだが、王朝文化を肌で感じることができた。
今回のバカンスの目的の1つはアユタヤ遺跡。カメラを片手に足を伸ばした。
アユタヤはバンコクから車で約90分、市内からおよそ80キロ北に位置する古都である。タイは王朝を継いでいるが、1350年から400年間はアユタヤ王朝の都として栄えたと言う。現在は歴史公園として保存され、世界遺産にも登録してある。
初代王を祀るために建てたワット・プララムの塔や、菩提樹の根に覆われた仏頭を見ることができるワット・マハータートなど広範囲に渡り貴重なものを多く見ることができる。
アユタヤは一見すると王朝と戦争の古代遺跡のようだ。しかし、アユタヤ王朝が栄えた13世紀といえばで日本では室町時代であり、都に金閣寺や大衆文化がきらびやだった時代である。遺跡は貴重だが、当時の建造物としては日本とは比較にならないがタイという国、東南アジアの歴史を知るという意味では大変意味のある遺跡群だと思った。
14世紀中頃にアユタヤ王朝初代王が現スリランカから帰国した修行僧たちの瞑想場として建立したといわれるワット・ヤイ・チャイモンコンという寺院にも訪れた。
修行僧が瞑想をしたという寺院に登ることができる。私もそこに登り、しばし風景を楽しんだ。
眼下では多くの観光客で賑わう風景が見えた。中には袈裟をはおり、修行をしている僧もいた。
遠くを見た。ここから見える風景は650年前と何も変わっていないのではないか。そんなことを思っていたら一瞬、トリップした感覚に陥った。
「大海即ち1滴なり。1滴即ち大海なり」
この一瞬が即ち今であれば、その一瞬の連続が永遠である。永遠とは今の一瞬に過ぎないとすれば、650年前のこの場は即ち、今の一瞬と何ら変わらないのではないか。爽やかな心地よい風が吹いていた。舗装をしていない道路では砂が舞っている。葉の擦れる音がし、石の温かみを感じた。その場所を問わず、人がいるところに文化や習慣、文明が生まれまた廃っていく。長い年月を重ね得るものもあれば捨てさっていくものもある。
大海も1粒のしぶきも同じ海であるように、ここにいる時間は今であり過去であり、未来なのだろう。
また世の中の全てが奇跡だとするなら、その全ては必然だ。この世の全てに意味があるなら、その全ては無意味に違いない。私のこれまでの人生も一瞬であった。これからも一瞬に過ぎてゆくだろう。
遺跡に立ち、アユタヤの風に吹かれた。見上げれば、それは澄み切った青空。650年前の王はこの空を見て何を思ったか。一瞬に過ぎたであろう年月はまた永遠の一瞬なのかもしれない。
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