スタッフブログ
2013.04.12
誰かの役に立てるのなら。必要とされる生き方をしたい
Robinの蜘手です。今日は週に1本発行しているクモデコラムをお送りします。
初心を忘れず。そんな思いで書きました。
誰かの役に立てるのなら。必要としてくれるなら。
普段はセルフカットする私の散髪だがその日はふと地元の理容店に入った。その理容店は私が母親に連れられて弟と行っていた時からの付き合いなのでもう30年になるだろうか。私も年を取ったが店主もすっかり30歳老け込んだ様子だった。
椅子に据われば小学校の頃から見ていた風景。何も変わらないものがそこにある。いいものだ。そう思える歳になったということだろうか。
2001年、黄色いチラシを折り込んでワンリフォームはスタートをした。徒手空拳ではあったが御陰さまで反響も多く幸先のよい船出であった。しかしほどなく現実を知ることになる。完工粗利の減や現場のトラブル。施工中に出てくる職人さんの問題。準備は万端のはずだった。しかし想像以上に手間のかかることもわかった。
追い打ちをかけるようにチラシの反響も少なくなっていった。今だったらその理由は分かる。しかし当時は全て現実のみであった。
「事業って大変」
さてどうしたものかなと思う日が続いた。
前職は下請けの多い会社だった。今は公共系にシフトをしたが当時は大手ゼネコンや建築会社の下請けも積極的に受注をしていた。
「価格が安け れば御社に依頼をしてやるよ」「うちの利益になるなら使ってやる」
上手く付き合いのできるタイプなら よかったのかもしれない。お酒も苦手な私には付き合いというのも精神的にもキツかった。お客様は企業。お施主様の顔を見て仕事をすることができないのはもっと辛かった。
「例え少ない収入になってもいい。お客様の顔を見て仕事がしたい」
そんな思いをもって始めたリフォーム事業だったが、甘くはなかったのだ。
そんな時、1件の反響が入った。在来風呂をユニットバスにする依頼だった。依頼主は老夫婦。
「冬は凍えるほど寒く、本当に辛いのよ。チラシを見て電話をしたけど本当にこの価格 でやってくれるの?やってもらえると本当に嬉しいね」
私は熱意を持って話をした。
「身障者の息 子がいてね。その子のためにもリフォームをしてあげたくて。君の情熱も伝わってきたしできれば蜘手 くんにお願いしたい」
しかし追加オプションを含めても明らかに価格が合わない仕事だった。低粗利受注をするか否かの選択であった。「見積書を作ってきます。お時間を下さい。」
その場で出すこともできたが時間の猶予を頂いた。どうしたものか。仕事は少ない状況だ。しかし仕事が薄くても低粗利受注をすべきかどうかを悩んだ。
「低粗利工事はその会社の価値を下げるし他のお客様にも失礼になる」
そんなことも聞いたことがあった。
そんな時この理容店に入った。店主は声をかけてくれた。
「蜘手くん、リフォーム店はどう?」「いや厳しいですね。そんなに上手くいかないですね」
そんな時同じ町内で顔見知りの経営者の方が入ってきた。正直、苦手なタイプだった。
「お、蜘手くん。商売始めたんだってな。そういえばうちの屋根葺き 替えの見積もりがあるんだけどそれより安くやってくれるんならやれよ。やらせてやるよ」
私は悩んだ。その依頼は明らかに利益の出る仕事であった。どうしよう。この仕事引き受けようか。
その時、風呂改修の夫婦の顔が浮かんだ。
「オレを必要としてくれている人の期待に応えるのがオレの使命じゃない のか!」
まるで雷が落ちたようだった。
「すみません、今忙しいんで。」
床屋の椅子に据わってそう答える自分がいた。誰でもできる仕事ならオレじゃなくてもいいじゃないか。グラッときた自分が情けなくて鏡が涙でみえなった。
私はその足で老夫婦の家を訪れた。「その予算でやりましょう。私が今の浴槽の解体をすれば解体費が 浮きます。その仕事を任せてもらえませんか」
私は着工当日から作業服で解体をした。今でもあの時の手に伝わってくる振動を忘れることはない。完工後、老夫婦の笑顔と共にこう声を掛けてくださった。
「有り難う。本当に嬉しかったわ」
誰かに必要とされる仕事をしよう。必要とされる人間になろう。目の前の霧が晴れた気がした。
「ありがとう」と「うれしい」の一 杯詰まった会社にしよう。
私はこの時、会社のスローガンをそう決めた。誰かの役に立つことができた のなら。そして私を必要としてくれる人がいるのなら。そんな思いを詰め込んだ。今から13年前のことだ。
私の全てはそこから始まっている。
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