スタッフブログ
2013.01.25
Robin 蜘手健介のマンスリーメッセージ 1月
毎月お客様へ向けて発信しているメッセージです。
1月のメッセージをお届けします
*
20代後半、エジプトへ旅をしました。素晴らしい遺跡、文化、文明。数千年という悠久の時の中
で残されてきた人間の力。言葉では表せないくらいの感動を今でも忘れることはありません。そのエ
ジプトの旅行中、カイロ博物館へ訪れました。すると目に入ってきたのは物々しいほどの警備と軍関
係者、警察の姿。さすが世界を代表する博物館だけあるな、と思っていたらそうではなくガイドの話
によると私たちが訪れる前日、なんと駐車場にて観光客バスを爆発させるというテロがありドイツ人
を多く含む人間が犠牲になったとのこと。私たちは昨日テロがあり、多くの人命が失われたその現場
の近くにいたのです。ガイド曰く「過去にテロが連日、行われたことはないから今日は安全」。
イスラム諸国でのテロや爆破事件は続発しており、いちいち驚いていられない、とも言っていたこ
とを今でも覚えています。慣れがそうさせるのか国が違えばこうも違うものかと深く考えました。
余談ですがその犠牲者には邦人は含まれておらず当然、日本での報道もありませんでした。
その旅行後、帰国をしエジプトへの旅の余韻も醒めやらぬ頃、私はテレビで驚くニュースを見まし
た。エジプトの王家の谷という観光名所で銃の乱射事件。観光客を含む多くが犠牲になったという。
その規模は私がカイロ博物館で聞いたテロよりは小さい規模であったが犠牲者の中には邦人が含ま
れていました。そのためこの報道は大きくされました。エジプトという国、イスラム原理主義。渡航
への注意など対応がはかられました。現地でテロの跡を見た私は、きっと現地の人たちからみたら「ま
たか」という感覚なのだろうか、とふと感じたものです。邦人が犠牲にならないとこういった事件に
注目ができないというのも仕方ないといえば仕方ないのもかもしれないのですが、私たちが王家の谷
を訪れて10日経っていない時に起きた事件でした。少し日程がずれていたら、彼らの計画が早けれ
ば私は王家の谷で多くのファラオと共に骨を埋めていたのかもしれないのかな。それもロマンチック
な死に方かもな、と言ったら妻に叱られたことを覚えています。(そりゃそうだ)
2013年1月、北アフリカ・アルジェリアの天然ガス関連施設で外国人拘束事件がおきました。
同国政府はテロ犯行組織とは一切、交渉をしないとの態度を崩さず犠牲も覚悟をした突入作戦を断行。
多くの人質が西側諸国の人間だったこともあり日本のみならずイギリス、フランス、アメリカなどで
も大きく報道されましたが、アルジェリア政府の命令のより制圧は終了。結果的に多くの日本人も犠
牲になりました。テロ行為にも驚きましたが、まったく交渉をしないというアルジェリアの強行な姿
勢にも驚きました。標準や基準、常識というもの違い。それを強く感じました。
「世界は国境や宗教、信条で線がひいてあるわけではないのに、、」
そんな事件が報道されている最中、「はやぶさ」を題材とした映画を2本観ました。
竹内結子と渡辺謙のそれなのですが、さまざまなトラブルを乗り越えて地球に帰還するその直前、
はやぶさが撮影した最後の地球の写真があります。画像はかすれているが地球はくっきりと写ってい
ます。俯瞰してみる地球はどこまでも丸くて美しい。国境も人種も宗教の境界線もなく、ただただ美
しい地球。争うことってくだらない、なぜこうもお互いを傷つけるのだろう。そんな声が聞こえてき
そうな美しい写真でした。
価値観の違い、考え方の違いで私たちは悩むことがあります。どうして理解して頂けないのだろう、
どうして分かってもらえないのだろうと思うことがあります。だからこそ人は悩み、すれ違い、苦し
い思いをするのでしょうか。話をすればわかる相手もおられます。そうじゃない相手もいる。
それも人生だ、とは思いますがそうは割り切れない時もあります。世界とはいわないがもっと互い
が理解をしあえるために何ができるのだろう、と考える私はまだ子供なのでしょうか。
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