(37)少子高齢化、多死社会(2024.12.18)
1947年から1949年に生まれた人を団塊世代と呼んでいるが出生数は年間260万人を超えていた。
その子供たちが団塊ジュニアと呼ばれ1971年から1974年にかけて生まれた人をいう。私はその1971年生まれで団塊ジュニアに該当する。小中学もマンモス校だった。
2023年の出生数は72万7288人で、過去最小(明治32年以来)を更新した。
また死亡数は157万6016人で戦後最多だった。これから団塊世代が80代になっていくのを受けて少子化と多死社会化は加速するだろう。出生数と死亡数の差である「自然増減」はマイナス84万人でこれも過去最大の減少だった。
(厚労省令和5年人口動態統計https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei23/dl/15_all.pdf)
1000万円未満のリフォームの場合は現金払い(ローンや信販など借入をせず)が多いというのはこの業界のこれまでの一般通念だったが高齢者の預貯金も多死社会によって変わっていく。
二人以上の世帯について世帯主の年齢階級別の純貯金額(貯蓄現在高―負債現在高)は70歳以上は貯蓄額2500万円に対し負債78万円、負債保有率は11%、60代では2432万円と201万円で27%、40代は1705万円と715万円で56%、40代になると貯蓄現在高1208万円に対し負債現在高1388万円、負債保有率は68%、負債が貯金を上回っている。(貯蓄は現預金、定期預金、生命保険、有価証券など含む)
負債の内訳は住宅・土地が9割を占めている。
(総務省 家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年平均結果
https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2023_yoyaku.pdf)
リフォームサイクルにあたる築20年から30年、新築取得の平均年齢が30代だとすると現在55歳〜65歳の層がリフォーム需要期にあたる。過去20年間は住宅リフォームの支払い方法で信販やローンを利用するより圧倒的に現金支払いの人が多くを占めた。高齢者の貯蓄額が高かったというのと合致する。
しかし団塊の世代(1947年から1949年にかけて生まれた世代が80代を目前で、多死社会を迎えるに当たって今後10年間で「貯蓄を原資としたビジネスモデル」は緩やかに減少傾向に向かうだろう。
さらにリフォームサイクルにあたる築20年から30年、新築取得の平均年齢が30代だとすると現在55歳〜65歳が現在のリフォーム需要期にあたる。統計上は貯蓄が多いが持ち家世帯は住宅ローンを最長35年で組んでいること、また2005年に姉歯事件があったがそれ以来、住宅の耐震や性能を強化され続け住宅の劣化などが以前より少ないこともあり、大型リフォーム、全面改装などは大きく増えることはないと思われる。
ではリノベ、全面改装は手を引くべきかというとそれはまだ早い。ただリフォーム事業を売上種別のポートフォリオの主軸にしないほうがいいだろう。現在の新築業界のように「市場は縮小しているが需要はある。」という状態が長く続くと思われる。団塊の世代が多死する時期が今後10年間で起きることは予測されると共に、昭和を生き抜いた工務店、リフォーム、不動産などの経営者も減少をする。ただ住宅の性能がよくなりローンを長く組んでいる人が多くなることを考えると取り替え、貼り替え、塗り替えのリフレッシュ事業を主軸にした方が成長戦略を組みやすいだろう。
もちろん競合は多いがそこは社の実力を上げるしかない。情報化社会にブルーオーシャン、レッドオーシャンなどないと捉え挑戦することしか選択肢はないだろうと思う。
少子高齢化、少子多死化が過ぎた20年後には日本はまた新しい景色が拡がるだろう。
最高経営責任者 蜘手 健介
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