(33)選挙と民意(2024.11.18)
興味深い選挙が2つあった。兵庫県知事選挙と米国大統領選挙である。
兵庫県知事選は県外に住む者にとって何の関係もなく、影響も受けることがない選挙だ。だから知事への内部告発、さまざまな疑惑、失職などまるで興味がなかったが、選挙戦が始まった頃からYouTubeで「実は陰謀だった」という内容の動画が多く目につき始めた。
「どれどれ」とざっくりと見たら、これが安っぽいドラマより面白かった。
敵(悪)は既存大手メディア、既得権益といったこれまで日本を支えてきた(と自負している)人たち、善は情報操作されている市民、被害者(とされる)の斎藤氏。感情移入しやすい構図だったのも多くの人が興味、関心を持った理由の1つだろう。特にN 党の立花氏の動画は「勧善懲悪ストーリー」のスカッとした内容で、連日興味深く見ていた人も多いのではないだろうか。
選挙の結果は失職した斎藤氏が再選を果たした。
「テレビなど既存メディアの敗北、S N Sの勝利」など選挙後も色々な意見がありしばらくは議論、論戦は続きそうである。
もう1つ、興味深い選挙結果が米国大統領選挙である。
こちらは共和党のトランプ氏が勝利し4年ぶりに大統領に就任する見通しだ。米国の主要メディアのあるニューヨーク、ワシントン、カルフォルニアでは民主党のカマラ・ハリス氏が人気のため日本へ入ってくる情報はハリス寄りのものが多く、私たちも「女性大統領誕生か」というニュースをそのまま受け取っていたが、実際はトランプが激戦州を全て制し圧勝。大統領、上院、下院の過半数を共和党が抑え「トリプルレッド」を達成。トランプ色の強い予算、法案が推進する環境が整った。
「トランプって人気あるんだな」これが正直な感想である。
この2つの選挙に共通するのは市民による「直接選挙」であるということ。(米国の選挙制度は選挙人制度を採用していため形式的には間接選挙であるが、現在の二大政党下では実質直接選挙と変わらない。)
米国の場合、トランプ氏は現在4つの刑事裁判を含む訴訟を起こされている。「犯罪人」に極めて近い人物が大統領、それも世界で最も強い権力者になる。米国らしいといえばそれまでだが、これが米国の「民意」の結果だ。
兵庫県の斎藤知事も疑惑が陰謀だったのか真実だったのか、それは誰にもわからない。S N Sで流れていた録音テープも今の時代、いくらでも偽造できる。
「いつも真実は1つ」だが今回の県知事選挙で兵庫県の人たちが斎藤知事を選んだ「民意」の結果。これに尽きる。だとすると民意を示した民の責任も大きい。
閑話休題。
先の衆議院選挙で票を伸ばした国民民主党。首班指名の日に玉木党首のスキャンダルが報じられたが、彼らが押ししめている政策、年収103万円の壁を見直しは正しい政策だ。働きたくても働けない、時給が高くなればより時間が短くなるなど12月に入る頃に出勤調整をするパートさんを見て(この忙しい時に)と思っていた経営者は少なくない。
財務省は103万円の壁を見直すことによる直接的な税収減への危惧があるようだが手取りが増えた場合の消費活性化を期待する声もある。
玉木さんには多少のスキャンダルなど何食わぬ顔で突き進んでほしいが、これを機会にもっと大胆に改革してほしい。
生活に苦しんでいる人も中小企業経営者も同じ国民。経済とは消費行動である。手取りが増えて悲しむ人はいないが日本人は貯蓄、貯金が大好きだ。そのお金が消費ではなく貯蓄やN I S Aなどの投資などに廻らなければいいが、と思うのは老婆心だろうか。
最高経営責任者 蜘手 健介
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