外壁塗装・屋根塗装の50坪における費用相場や計算方法を詳しく解説
「外壁塗装の費用はどのくらいかかるの?」
「外壁塗装の費用を抑えるコツはあるの?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- 外壁塗装における坪数ごとの費用相場
- 外壁塗装の選び方
- 外壁塗装の費用を抑えるポイント
の順番に解説していきます。
目次
外壁塗装における坪数ごとの費用相場
外壁塗装の費用は、家の大きさによって大きく変わります。
坪数ごとの一般的な費用相場を以下の表にまとめました。
(塗料の種類や施工方法によって変動することにご留意ください。)
坪数 | 戸建て費用相場 |
---|---|
50坪 | 80万円~160万円 |
40坪 | 60万円~150万円 |
30坪 | 50万円~120万円 |
20坪 | 40万円~100万円 |
塗料の種類や施工方法によって費用が変動することを念頭に置きながら、ご自身の家に最適な外壁塗装プランを考える際の参考にしてください。
50坪の費用相場と詳細
50坪の戸建て住宅の外壁塗装費用は、80万円〜160万円程度が一般的な相場です。
この外壁塗装工事には、以下のような工程が含まれます。
- 足場の設置
- 飛散防止ネット設置
- 高圧洗浄による外壁の洗浄
- 下地処理(ひび割れや剥がれの補修)
- 塗装作業(下塗り、中塗り、上塗り)
- 仕上げと清掃
塗料の種類や足場の設置が難しい場合は費用が高くなることがあるでしょう。
40坪の費用相場と詳細
40坪の戸建て住宅における外壁塗装費用は、60万円〜150万円程度が相場です。
この価格帯も、使用する塗料の種類によって大きく変動し、具体的には以下のような内訳になります。
塗料種類 | 費用相場 |
---|---|
アクリル | 60万~100万円 |
ウレタン | 70万~90万円 |
シリコン | 80万~100万円 |
フッ素 | 100万~130万円 |
40坪の家の場合、50坪と比べて塗装面積が若干少なくなるため、材料費や労務費が若干抑えられます。
しかし、足場の設置や高圧洗浄などの基本的な工程は同じように必要となるため、費用削減にはつながりません。
塗料の選択や追加オプションの有無によって、最終的な費用が決まります。
30坪の費用相場と詳細
30坪の戸建て住宅における外壁塗装費用は、50万円〜120万円程度が一般的な相場です。
この価格帯も同様に変動し、内訳は以下のとおりです。
塗料種類 | 費用相場 |
---|---|
アクリル塗料 | 50万円~80万円 |
ウレタン塗料 | 60万円~90万円 |
シリコン塗料 | 75万円~110万円 |
フッ素塗料 | 90万円~120万円 |
30坪の家では、40坪や50坪の家と比べてさらに塗装面積が減少するため、材料費や労務費が抑えられます。
しかし、基本的な工程(足場設置、洗浄、下地処理など)は必要で極端な費用削減にはならず、塗料の選択や家の形状、追加オプションの有無によっても金額が変動します。
20坪の費用相場と詳細
20坪の戸建て住宅における外壁塗装費用は、40万円〜100万円程度が相場となります。
20坪の家は、他の坪数と比べてもっとも塗装面積が少なくなるため、材料費や労務費がもっとも抑えられます。
塗料の種類 | 費用相場 |
---|---|
アクリル塗料 | 40万円〜60万円 |
ウレタン塗料 | 50万円〜80万円 |
シリコン塗料 | 60万円〜90万円 |
フッ素塗料 | 80万円〜100万円 |
小規模な家屋であるため、費用は比較的抑えられますが、足場の設置や養生などの基本的な作業は必要なため、坪数の割に費用が高く感じられる場合もあります。
50坪の外壁塗装の費用の算出方法
50坪の外壁塗装の費用を算出するには、以下の3つのステップが必要です。
塗装面積を計算する
50坪の外壁塗装の費用を正確に算出するには、まず建物の延べ床面積から塗装面積を正確に計算します。
1坪は約3.3平方メートルです。
例えば、50坪の建物であれば、延べ床面積は約165平方メートルとなります。
しかし、実際の塗装面積は延べ床面積よりも大きくなります。
壁や天井、さらには建物の形状によって生じる追加の表面積を考慮するためです。
そのため、延べ床面積には通常1.2から1.4の範囲の係数を乗じて塗装面積を算出します。
50坪(約165平方メートル)の建物で係数1.3を使用する場合であれば以下のとおりです。
ただし、この方法はあくまで概算です。
より正確な塗装面積を求めるには、建物の図面を使用して実際の外壁面積を計算しなければなりません。
この際、窓や出入り口の面積を除外し、バルコニーや屋根の出っ張りなど、塗装が必要な追加の面積も考慮に入れます。
塗装にかかる費用を確認する
塗装面積が分かったら、次は塗装にかかる費用を確認します。
1平方メートルあたりにおける外壁塗装に必要な作業の施工単価の相場を確認してください。
費用項目 | 相場(1平方メートルあたり) |
---|---|
足場設置費 | 700円~1,500円 |
飛散防止ネット設置費用 | 150円~400円 |
養生費用 | 200円~300円 |
高圧洗浄費用 | 200円~500円 |
50坪(約165平方メートル)の建物で、係数1.3を使用して塗装面積を214.5平方メートルと算出した場合の費用計算例は、以下のとおりです。
項目 | 最小値 | 最大値 |
---|---|---|
足場設置費 | 150,150円 | 321,750円 |
飛散防止ネット設置費用 | 32,175円 | 85,800円 |
養生費用 | 42,900円 | 64,350円 |
高圧洗浄費用 | 42,900円 | 107,250円 |
合計費用 | 268,125円 | 579,150円 |
合計費用の範囲は最小で268,125円(約27万円)、最大で579,150円(約58万円)です。
これらの費用は、建物の形状や劣化状況によって変動します。
また、塗料の種類(シリコン系、フッ素系、光触媒など)によっても大きく変わることから、見積もりを詳細にチェックしておくと安心です。
塗装以外にかかる費用を確認する
最後に、塗装以外にかかる費用も確認します。
主な費用項目は以下のとおりです。
費用項目 | 相場 |
---|---|
下地処理費 | 300〜2,500円(1平方メートルあたり)(※外壁の状態による) |
廃棄物処理費 | 10,000~30,000円(1式) |
その他費用 | 保険料、交通費など |
同様に計算すると、以下のとおりです。
項目 | 最小値 | 最大値 |
---|---|---|
下地処理費 | 64,350円 | 536,250円 |
廃棄物処理費 | 10,000円 | 30,000円 |
その他費用 | 50,000円 | |
合計費用 | 124,350円 | 616,250円 |
※その他の費用は5万円を仮の値として扱う
合計費用の範囲は最小で124,350円、最大で616,250円です。
50坪以上の大きな建物の場合、外壁塗装費用は100万円を超える場合も多いでしょう。
また、定期的なメンテナンスが必要で、先々にかかる費用も考慮してください。
外壁塗装の費用相場
外壁塗装の費用相場は、主に以下の2つでおおよその価格が決まります。
- 塗料の種類と費用
- 施工方法と費用相場
塗料の種類と費用
外壁塗装に使用される主な塗料の種類と、それぞれの1平方メートルあたりの費用相場は、以下のとおりです。
塗料の種類 | 費用相場(円/㎡) | 特徴 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 1,400〜1,600 | もっとも安価だが、耐久性は5〜7年程度と短い |
ウレタン塗料 | 1,700~2,200 | 密着性に優れ、耐久性は7〜10年程度 |
シリコン塗料 | 2,300~3,500 | 耐水性・耐久性に優れ、10〜15年程度持続 |
フッ素塗料 | 3,800~4,800 | もっとも高価だが、耐熱・耐寒性に優れ、15〜20年程度の長期耐久性 |
この他にも、ラジカル塗料、セラミック塗料、ナノテクノロジー塗料、無機ハイブリッド塗料などがあります。
基本は、高いグレードほど費用も上昇し、耐久年数や機能も良くなります。
各塗料にはそれぞれ特徴があるため、価格と性能のバランスを考慮して選択してください。
施工方法と費用相場
外壁塗装の施工方法には主に以下の3種類があり、それぞれ特徴と費用が異なります。
施工方法 | 費用 | 特徴 |
---|---|---|
ローラー塗装 | 標準的 | 均一な仕上がりが期待でき、細部まで丁寧に塗装できる |
吹き付け塗装 | ローラー塗装より5〜10%程度高い | 施工時間が短く、凹凸のある面でも均一に塗装できる |
刷毛塗装 | 高め | 細部の塗装に適しているが、広い面積の塗装には時間がかかる |
この費用は、建物の状態や地域によって変動します。
おおよそ、施工方法の違いで費用が異なる範囲は5〜10%程度で、屋根塗装と同時に行うとより費用を抑えられることもあります。
外壁塗装の選び方
外壁塗装を選ぶ際には、色、耐用年数、機能性、予算の4つの観点から検討します。
総合的に考慮し、自分の家に最適な外壁塗装を選ぶことが大切です。
それぞれの観点について、詳しく見ていきましょう。
色で選ぶ
外壁の色は、家の印象を大きく左右するため、以下の2点に注意しましょう。
まず、同じ色でも見え方が異なることを理解しておくことが大切です。
サンプルを実際の外壁に当てて、日中や夕方など異なる時間帯で見比べることをおすすめします。
また、周辺の環境や建物との調和も考慮に入れてください。
次に、色の耐久性も考慮します。
鮮やかな色は紫外線に弱く、色あせしやすい傾向があります。
長期的に美しさを保ちたい場合は、落ち着いた色調を選ぶのも1つの方法です。
耐用年数で選ぶ
一般的に、耐用年数の長い塗料を選ぶと、長期的にはメンテナンス費用を抑えられます。
例えば、フッ素塗料は初期費用が高いものの、耐用年数が15〜20年と長いため、長期的に見ると経済的です。
一方、アクリル塗料だと初期費用は安いですが、耐用年数が5〜7年と短いため、頻繁に塗り替えが必要になります。
耐用年数を考慮する際は、自分が何年その家に住む予定かも考慮に入れてください。
長期居住を予定している場合は、耐用年数の長い塗料を選ぶことで、将来的な費用負担を軽減できます。
機能性で選ぶ
外壁塗装には、地域の環境や自分のニーズに合わせて、適切な機能を持つ塗料が必要です。
断熱・遮熱機能を持つ塗料は、夏の暑さや冬の寒さを和らげ、エネルギー効率を向上できます。
冷暖房費の削減にもつながり、家計にも優しい選択です。
一方で、海沿いの地域では、塩害に強い塗料を選ぶことで、建物の劣化を防ぐことができます。
塩分を含んだ海風による腐食や錆びを防ぎ、建物の寿命を延ばす効果を期待できます。
また、低汚染性や防カビ性を持つ塗料、防火性能を持つ塗料などもあり、用途によって様々です。
塗料選びの際は、これらの機能性を考慮しつつ、建物の構造や周辺環境、そして長期的なコストパフォーマンスを総合的に判断してください。
予算で選ぶ
予算は外壁塗装を選ぶ上で避けて通れませんが、単に初期費用だけでなく、長期的な視点で判断してください。
安価な塗料は初期費用を抑えられる一方で、耐用年数が短いため、頻繁に塗り替えを要します。
結果的に、長期的に見て高コストになることがあります。
逆に、高品質な塗料では初期費用は高くなりますが、耐用年数が長いため、長期的にはメンテナンス費用を抑えられます。
外壁塗装の費用を抑えるポイント
ここでは、外壁塗装の費用を抑えるために知っておきたい主要な3つのポイントについて詳しく解説します。
家の美観と耐久性を維持し、費用を抑えたい方は参考にしてください。
屋根塗装と一緒に依頼する
外壁塗装は、屋根塗装を同時に行うことで足場代を節約し、コスト削減が可能です。
別々に行う場合、それぞれに足場を組む必要がありますが、同時に行えば1回の足場設置で済みます。
足場代は外壁塗装費用の15〜20%を占めるため、節約効果は大きいです。
また、同時施工により作業効率が上がるため、人件費も抑えられます。
ただし、屋根の状態が良好で塗装不要な場合は、無理に同時施工する必要はありません。
塗料のグレードを下げる
外壁塗装の高級塗料であるフッ素塗料やシリコン塗料は耐久性に優れていますが、価格も高めです。
一方、アクリル塗料やウレタン塗料は比較的安価で、適切なメンテナンスを行えば十分な耐久性を発揮します。
20坪の場合で見ても、10〜40万円ほどの差があります。
塗料の種類 | 費用相場 |
---|---|
アクリル塗料 | 40万円〜60万円 |
ウレタン塗料 | 50万円〜80万円 |
シリコン塗料 | 60万円〜90万円 |
フッ素塗料 | 80万円〜100万円 |
ただし、塗料の選択は単に価格だけでなく、耐久性や機能性も考慮してください。
長期的な視点で見ると、高品質な塗料を選ぶことで塗り替え頻度が減り、結果的にコスト削減につながる場合もあります。
地元の業者に依頼する
地元の業者に依頼することで、大手業者と比べて費用を抑えられる可能性があります。
一般的に地元の業者は、大手業者に比べて中間マージンや広告費が少ないため、その分を価格に反映できるからです。
また、地域に密着しているため、アフターフォローも期待できます。
さらに、地元の業者は地域の気候や建築様式に精通しているため、その土地に適した施工方法や塗料の選択ができる利点もあるでしょう。
屋根塗装を行うときの費用相場は?
一般的な2階建て住宅の屋根塗装の相場価格は、40万円〜60万円程度ですが、あくまで目安であり、実際の費用は個々の状況、つまり家の大きさや屋根の種類、使用する塗料によって大きく変動します。
費用項目 | 割合 |
---|---|
塗料代 | 約20% |
足場代 | 約20% |
施工費(人件費) | 約30% |
業者の利益 | 約30% |
屋根と外壁を同時に塗装すると、足場の共用で費用を抑えられるため、80万円〜が一般的な相場となります。
また、火災保険の風災補償で屋根修理費が賄える可能性もあるため、保険の適用についても確認をおすすめします。
工事代の費用相場
屋根塗装における工事代の費用相場全体の単価としては、約5,000円〜/㎡が目安となり、30坪程度の住宅では約50万円以上の費用がかかります。
なお、屋根の種類や塗料の種類によっても大きく異なります。
参考として以下の表に、屋根の種類、塗料の種類、工程の種類ごとの費用相場をまとめました。
【屋根の種類別の費用相場】
屋根の種類 | 費用相場(1㎡あたり) |
---|---|
瓦屋根 | 1,500円〜2,500円 |
スレート屋根 | 2,000円〜3,000円 |
金属屋根 | 2,500円〜4,000円 |
【塗料の種類別の費用相場】
塗料の種類 | 費用相場(1㎡あたり) |
---|---|
シリコン塗料 | 2,000円〜3,000円 |
ウレタン塗料 | 2,500円〜3,500円 |
フッ素塗料 | 3,000円〜4,000円 |
無機塗料 | 4,500円〜5,500円 |
【工程の種類別の費用相場】
工程の種類 | 費用相場 |
---|---|
足場設置 | 1㎡あたり約1,000円 |
高圧洗浄 | 水洗で100〜200円/㎡、バイオ洗浄で200〜300円/㎡ |
ケレン | 200円〜2,000円/㎡ |
付帯部塗装 | 約13万円/㎡ |
縁切り(タスペーサー) | 約30,000円 |
廃材処理 | 約4万円 |
価格はあくまで目安であり、実際の費用は状況によって変動する可能性があります。
まとめ
外壁塗装の費用は、50坪の家では80万円〜160万円程度が相場です。
ただし、正確な見積もりには塗装面積の計算が不可欠です。
また、塗料の選択は耐久性と価格のバランスを考慮し、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素など、各種類からも選ぶことが大切です。
そして、費用を抑えるには、屋根塗装との同時施工や地元の業者の活用が効果的です。
この知識を活かし、長期的な視点で判断して家の価値を高める外壁塗装を実現してください。
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