667(28)ニラスイホーム社視察会 感想と考察
11月のJackグループ企業視察会は静岡県伊豆の国市に本社を構えるニラスイホーム社で開催され、10社10人が参加をした。
私は視察会からの参加だったが、午前から現地へ乗り込んだ方々は島田社長のご好意と引率で炭焼きハンバーグ「さわやか」でランチ後、世界遺産の反射炉などを見学するミニツアーも堪能されたようだった。綿密な準備・開催をしていただいた島田社長、スタッフの皆様、有難うございました。
ちなみに「さわやか」は関西の方にはなじみが薄いかもしれないが、関東の方には大人気のレストランで、この日のも開店時間から早々に満席、駐車場には他県ナンバーの車やバイクが多かったようだ。ランチ時には1時間待ち、90分待ちがザラにあるいうからたいしたものだと思う。私も島田社長と2回訪れた。名物のげんこつハンバーグはとても美味しい。未体験の方はお近くへ行った際にはぜひ立ち寄って欲しい。
さて今回の視察会ではニラスイホーム社の歴史、集客、給与体系や管理体制、また川店長による社員採用・育成など多岐に渡りながらも秘匿性の高い内容をお伝えいただいた。
10万世帯商圏、2店舗、社員15名、5億円、利益率約10%、郊外型リフォーム店の1つの見本であり、完成形だと言っていい。参加者の皆様も参考になったと思う。次回は12月、大阪の吉村社長率いるさくら社への視察会を計画している。こちらも楽しみである。
さてニラスイホーム社には2016年から社員への経営アドバイスと営業研修としてサポートに入らせていただいてきた。
もともと島田社長は施工管理経験者で計数管理、段取りについては大きな問題はなく例えば工事台帳管理や完工粗利増減なども把握をされていた。いわゆる「管理能力の高い経営者」である。そこにリフォーム事業を立ち上げてから島田社長が学んだマーケティング力が加わり、管理と集客には強い会社だった。課題は営業力と採用と教育と明確であった。
私はサポートや研修に入る時、経営者に伝えることがある。それは
「数字を上げるために売る方法を教えますが、フィードバックをさせることで営業管理力が求められます。つまり管理圧力が強くなるということ。売ることはできるが、虚偽の報告や申告、報告遅れなど管理能力が低い社員、つまり管理にズサンな社員やズルが身についている人が辞めるかもしれません。それでもいいですか?」である。
管理能力の低い社員は自分の行動のつじつまを合わせるために不正や虚偽申請、直前変更などを繰り返す。
研修前のニラスイ社には売る力を持っているが管理能力の低い社員もいた。今思えば島田社長は「なんとか売ってきてくれるから、売っているから」と目をつむっていたことも相当ストレスだったのだろうと思う。
島田社長は「はい、大丈夫です。」と即答された。
そこから社員研修と経営ミーティングが始まった。そして人員の入れ替えで心を痛めることもあったようだが、変化を拒むことなく改革を推進した。
結果的にサポート当初から今まで残っている社員はベテラン工務を除き、営業社員は全員が入れ替わった。それで直近の決算売上は当初の約2倍の5億円を超え、経常利益率は10%近くなった。管理力の強い経営者の期待に応える組織作りをしてきた7年間だったと思う。
懇親会の乾杯の挨拶で私は「ロビンよりロビンらしい会社になった」とお伝えしたが偽らざる本音である。今後は多くの企業が腐心している採用に予算と力量をかける必要がある。人員が欲しいためについ入社ハードルを下げてしまいそうになるが、入ってはいけない社員の見極め、つまり入社ハードルを上げるべきだ。
閑話休題
企業は人数、売上規模によって求められる管理強度は変わる。社員数が少ない時には売る社員が必要である。管理強度は弱くし、ある程度のロスは許容しなくてはならない。
売れる社員に自由にさせることから「スーパースター型社員」が生まれる土壌もある。
しかし規模が大きくなるにつれ色々な人材が入社してくる。1%のロスが大きな金額になってしまう。そうなると管理強度は上げざるをえず「売るだけが得意」な社員の居場所がなくなっていく。
私が考える管理の目的は「売上を下げずに組織の成長・拡大ができるか」である。
建設業で経営が苦しくなるのは利益が出ない時ではなく売上が下がり入金額が小さくなった時である。
結局人のビジネスなのだ。浮き沈みしながら大きく伸ばす経営より、堅調に推移しつつ成長する経営が管理の目的だと思う。
KUMODE
最高経営責任者 蜘手 健介
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